噌天神とは?
 一般に「味噌天神」と呼び親しまれるこの神宮は、正式名称を「本村神社」といいます。
 奈良時代にあたる713(和銅6)年、元明天皇の御世にこの神社は建立されました。肥後の初代国司である道君首名(みちのきみのおびとな)が疫病平癒祈願のために、神薬の神として「御祖(みそ)天神」を祭祀したのです。
 この神社は後に日本で唯一の味噌の神を祀る神社となり、平安時代には学問の神である菅原道真公も祭神として合祀されました。
 1945(昭和45)年7月1日、熊本大空襲で戦災に遭い、宮は全焼してしまいましたが、1957(昭和32)年5月に再建されて今にいたります。
 学説では神の御衣を納めたという意味での「御衣(みそ)天神」がであろうとされているそうです。
 祭礼日は10月25日です。
噌に良い笹?
 この味噌天神が味噌の神様として祭られたのにはある理由があります。 741(天平13)年、聖武天皇の勅令により諸国に国分寺がおかれましたが、肥後の場合それは現在の熊本市出水町に建てられました。
 その寺の僧侶や信徒は食事によく味噌を使用したのですが、ある時大量の味噌が腐ってしまいました。
 その味噌倉が現在の大江本町の近くにあったからかそうでないのか、僧侶たちが「御祖天神」に祈願したところ、「境内にある小笹を味噌桶の中に立てよ」とのお告げがあり、その通りにしたところ実に美味しい味噌に変わったといいます。
 こうしたエピソードから、戦前までは全国から笹を貰いにくる人がいるほど信仰を集めたといいます。
クセス
住所:〒862-0973 熊本市大江本町7-1
バス:交通センターから健軍方面行き乗車、味噌天神で降りてすぐ
市電:市役所前からなら健軍方面行き乗車、味噌天神前電停で降りてすぐ