成績を評定する際、それぞれの学期の課題と期末試験の点数を下記の割合で計算します。
課題 20% 期末試験 80%
講義に関するメールを送ってくれる学生に関しては、そのメールの質と量を成績評定の際に考慮します。講義においてメールに関して特別な説明がない場合は講義の趣旨や主な内容を自分なりに要約した上で、感想や質問等を付け加えてmasden@kumagaku.ac.jpへ送ってください。件名には「比較文化論」の文字を入れ、本文にはお名前の他に、学籍番号をアラビア数字で書いてください。このメールは皆さん一人一人のノートにもなりますので、必ず保存して、試験の前に読み直してください。 講義では通常、出席カードを配ることは ありませんが、メールはその代わりとなります。ただし、名前と学籍番号のみのメール、あるいはごく簡単なメールだけで成績評定上あまりブラスにはなりません。
なお、メールはいつでも受け付けますが、講義が終わってからできるだけ早い段階でメールをまとめて送信することをお勧めします。早ければ早いほどブログや次回の講義でメールを取り上げることができる可能性が高くなります。ブログや講義で取り上げる場合は必ずメール内容を匿名にし、誤解、質問、意見等についてコメントをします。コメントは書いた人へのフィードバックとなり、理解等の確認の機会になります。
2009年度の春学期の成績評定の結果は下記のとおり。
成績 人数 % A 60 22% B 45 16% C 56 20% D 58 21% / 44 16% Y 12 4%"Y"は「辞退」で"/"は試験を欠席したことを意味します。
なお、メールを考慮して、素点より高い成績をもらった学生は50人いました。その内訳はBからAが13人、CからBが14人、DからCが23人です。お疲れさまでした。
「比較文化論」(文化論の氾濫など、本講義で扱っているテーマや話題)と関連のある新聞記事とその記事を選んだ理由に関する簡潔な説明を提出してください。
次の点に注意してください。
課題の評価に関しては、上記の指示に従って作成して提出すれば、満点になります。しかし、新聞名と記事が掲載された日付などの記載などがない場合は減点します。
試験の6割は講義に関する問題で、4割はテキスト(春学期と秋学期はそれぞれ違う本)に関する問題です。テキストは読めば内容がわかるようになっていますので、講義において解説することはほとんどありません。しかし、講義はテキスト中心に進まないからテキストは要らないと勘違いしまったら単位が取れなくなるでしょう。また、テキストが一番必要になってくるのは期末試験の時期ですが、早めに手に入れないと、丸善は余ったものを送り返してしまいます。これも単位を落とす原因となることがありますので早めに手に入れてください。試験は「一切参照不可」にします。
良い成績をもらうためには
課題は成績全体の2割となります。提出を忘れると本来75点になるはずの成績が55点となり、単位がとれなくなることがあります。毎年名前や学籍番号の記入漏れがあります。この場合はだれの課題かを調べる方法がないので、せっかく提出した学生はその点数を全部失います。早い段階で講義後に課題を提出すれば、目の前で記入漏れがあるかどうかを確認することができます。逆に締め切り日となりますと数百名の学生が同時に提出しますので、チェックしてあげることができません。
多くのことぎでパワーポイントを使います。新聞記事、学生からのメール、講義のメモ等、さまざまな文字や画像等が画面に映ります。全ての文字等を書き写すことは不可能だし、好ましいことではありません。また、スライダには文字として映らないが、書き留めるべきポイント等を口頭のみで説明することがあります。ノートにはスライド等の文字をただひたすら書き留めるだけなら考える余裕がありません。むしろ、講義内容について考えながら、重要だと思われるなポイント等を書き留めると良い。ノートに書いたメモを文章にして私にメールで送れば、ブログや次回の講義などでフィードバックをもらう機会になり、もっと自信を持って試験に望むことができるでしょう。
この点は上の「考えながらノートを書くこと」と関連があります。講義でビデオ、新聞の記事、絵本、漫画、歌等、ゲームなど、さまざまな教材を使いながら講義を進めます。それぞれの教材は必ず講義で伝えようとしていることと密接な関係があります。ノートの中に、どのような教材等が使われたを簡単にメモした上で、何を示すために使われたかもメモってください。ビデオ等を通じて何を伝えようとしていたかがわからない場合はメールで尋ねてください。
ビデオについて特に注意してほしいことがあります。それはビデオの制作者の意図と私の意図がまったく違うことがあるということです。講義を通して伝えようとしていることの1つは「メディアを鵜呑みにせず、考えながら利用する必要がある」ということです。そこで、今まで毎年、メディアの「鵜呑み」がいかに危険かを示すために見せた「問題」のあるビデオを、私の説明等を無視して鵜呑みにしてしまう学生があります。
毎学期、講義で見せたビデオ等を通じて「担当者」(私)が何を伝えようとしていたかに関する問題を出します。私が批判したビデオの内容を鵜呑みしたままで学生が回答を書くと、当然ほとんど点数にはなりません。
「AとBを書いた上で、両者の関係を説明してください。(配点の内訳:5+5+10)」というような問題を例に、どのように採点するかを説明しましょう。まず、問題を読み、何が求められているかについて考えてほしいと思います。この場合は「Aを書くことか(5点)」「Bを書くこと(5点)」「AとBの関係を説明すること(10)」の3種類の記述が求められています。毎年、このような形式で問題を出しますが、やはり毎年、AとBが書いてあるのに、AとBの関係に関する説明がない答案、あるいは、AやBが書いていなく、関係の説明しかない答案があります。このような場合は、いずれも問題の半分にしか答えていませんので、20点のうちの10点、あるいはそれ以下の点数しか与えられません。きちんと問題を読んでから回答を書き、そして書き終えてから問題と答案を読み直し、きちんとかみ合っているかどうかを確認してほしいと思います。答えが質問とよく噛み合うようにすることはテスト技術だけでなく、異文化コミュニケーションの基本的なスキルだと思います。「噛み合わせ」に気をつけて、答案を書いてください。
上で例に使った問題に「AとBの関係を説明してください」という部分がありますが、この「関係の説明」でつまずく学生がいます。「AがBの一種だ」とか「AがBの手段だ」とか「AはBとは相容れないものだ」などが関係の例になります。もちろん、他にもいろいろな関係があると思いますが、AとBとの接点や相違などを明確に書いていなければ、「関係」を書いたことにはなりません。「説明」について、「AがBの一種だ」というような関係なら、なぜAをBの一種と見なすべきかを書かなければなりません。結論しか書いていなく、その理由などに関する記述がなければ、十分な説明とは言えないでしょう。
最後になりますが、どの問に対しても主語と述語の入った「文」で答えてほしいと思います。断片的なフレーズだけでは採点できません。私の講義を聞いていなくとも、誰にでも理解できる、意味がはっきりと伝わる文章で問題に答えることを心がけてほしいと思います。これも単なるテスト技術ではなく、異文化コミュニケーションの基本的な心構えだと思います。断片的な言葉だけ書いて「後は相手に私の意図を察知してほしい」というような甘い考えだと、異文化コミュニケーションがうまくいかないことが多いと思います。
頑張ってください。
この講義では春学期と秋学期それぞれに文庫本一冊を読んでもらいます。文庫本を全部読まずに、講義での説明や本の中の一節のみで本全体の趣旨等に関する問題の答案を書こうとすると、当然「読んでいない」ことがわかります。本に関する問題は試験の4割となりますので、講義の問題に関する答案がよくても、全体の点数が60点となり、不合格になることがあります。講義でテキストを毎回取り上げないから「テキストは入らない」などと誤解しないで、早目に入手し、きちんと読んでください。読んでいてわかりにくいところがあれば、メールで問い合わせてください。
この講義では出席カードを配ったり、出欠を取ったりするようなことはあります。しかし、だからと言って出席しなくともかまわないというわけではありません。試験問題は出席していて、きちんと内容を理解していたかどうかを試すような問題となります。
講義を聞きに来ることは必要ですが、「形だけ」の出席には今がありません。遅刻したり、講義の途中で居眠りしたり、友達と私語したりすると、当然講義に対する理解が悪くなります。一番よくないのは私語です。自分自身で講義を聞かずに、内容がわからなくなるだけなら「自業自得」ですみませんが、それだけではありません。授業妨害です。多くの受講者は私語をいやがっています。講義をする私にとっては、講義内容を中断して注意したりすることになるので、講義に集中できる講義の質が悪くなります。授業に参加したい学生にマメに出席してほしいのですが、私語して授業妨害する学生なら、来ないでもらいたいと思います。
良い成績をもらうためにはメールは「必要」ではありません。しかし、期末試験で思うように力が出せなかった場合には、普段の努力を考慮します。また、普段からマメにメールを書くことはノートを書くことと同様に、講義内容に対する理解を深める機会となりますので、私のメール評価以前に、メールを書くことで試験で力をうまく出すことにつながります。
講義に使ったパワーポイントのファイルを学内私書箱におきます。「学内私書箱」の利用法については講義で説明しますが、説明を聞き逃した場合は情報教育センター で尋ねてください。