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商業論  商学原理特殊研究  商学原理特殊研究演習  商業構造論研究指導


+ 商業論

 春学期週2回・4単位

 【 講義内容 】
 現代の流通の本質的な枠組みを通して商業がどのような位置にあるかを理解するのが目的である。
 まず最初は商業の基礎的な理論を取りあげる。
 商業の本質的な視点から、 商業はいったいどの様な役割を果たしているかを論じる。
 引き続いて、 商業の歴史的な視点から現代の商業のあり方を取りあげる。
 資本主義以後の自由競争段階の商業、 独占段階の商業のそれぞれの特徴をあきらかにし、 現代の商業がどの様な状況にあるかをここで
 あきらかにする。
 詳しい講義内容は以下の講義計画予定を参照されたい。

 【 授業計画 】
 ■1 商業の基礎理論
  1. 商業論のガイダンス 『商業はいつ頃から形成されたか?』
『自給自足の時、 それとも商品経済の時?』
  2. 商業の取り扱う 「商品」 について 『商品に潜む重要な問題/商品の売れない原因が 「商品」 の中にある』
『商品に 「価値がある」「価値がない」、 また商品の 「価値が高い」「価値が低い」 とはどういうこと?』
  3. 商業に関わりのある 「交換」 について 『もっとも古い交換である 「物々交換」 について』
『「物々交換」 (商品と商品の交換だよ) はなぜ定着しなかったのでしょうか?』
  4. 商業が必要とする 「貨幣」 について 『「貨幣」 は商品と違ってなぜいつでもどこでも交換ができるのでしようか?』
  5. 流通とは何だろう? 『商業が存在しなくても流通は形成されるって本当だろうか?』
『これを直接的流通システムというんだって』
『そこでは消費者が 「王様」 (神様) といわれている理由がある。 』
『商品と貨幣の交換がそこにあらわれる!』
『商品と貨幣の交換によって 「販売」 と 「購買」 が現れるよ!』
  6. 購買よりも販売が困難なことについて 『「購買」 と比べて 「販売」 がスムーズに行かないのはなぜだろう?』
  7. 商業と資本について 『「資本」 とは何だろう?』
『「貨幣」 とはどのように違うのだろう?』
『資本主義の 「資本」 とはこのことなんだろうか?』
『商業は資本なの?』
  8. 商業が流通を担当することについて 『「商業」 ってなーに?』
『なぜ商業は流通を担当するのか?』
『商業は生産者の販売をスムーズにするということは本当ですか?』
『商業はどのようにして販売をスムーズにさせるのだろう?』

 ■2 生産と消費の基礎理論
  9. 生産とは? 『生産をおこなうために必要な要素はなーに?』
  10. 資本主義の生産ってなーに? 『そこでの生産者の生産メカニズムは?』
『生産者の利潤はどのようにして形成されるんだろうか?』
  11. 消費者ってなーに? 『消費する人間のこと?』
『それならば生産者も商業者も消費者になってしまうじゃない?!』
『生産者でもない、 商業者でもない、 純粋の消費者ってだれのこと?』

 ■3 資本主義の自由競争段階の商業理論
  1. 自由競争段階ってなーに? 『価格競争が主要な手段だって』
『それは低価格競争という形であらわれるんだって』
『その行方は?』
  2. 資本主義社会の商業について 『なぜ生産者は直接販売をしないのだろうか?』
    (商業資本の自立化の基礎) (1) 『直接販売することによってどのような問題が生じるのだろうか?』
『なに、 「時間」 と 「費用」 の問題だって!』
『それがなぜ問題なの?』
『利潤に関わってくるんだって!』
『なぜ利潤に関わってくるの?』
  3. 資本主義社会の商業について 『生産者は自分の利益の増大のために商業を利用するんだって!』
    (商業資本の自立化の根拠) (2) 『商業はいったいどような役割・機能を果たすことによって生産者に利益をもたらすんだろうね?』
『流通時間の短縮と流通費用を節約をもらすことによって生産者に利益をもたらすんだって!』
『そのメカニズムは?』
『なに、 そのためには商業は大規模な方がいいんだって?』
  4. 資本主義社会の商業 『商業は生産者の利益をもたらすために存在を許されているの?』
    (商業資本の自立化の条件) (3) 『商業は生産者に対して犠牲的奉仕の精神でもって活動しているの?』
『いいえ、 それならば商業は利益がないということになり、 おかしな話になるでしょう』
『そこにはからくりがあるんだよ!』
『仲良く利益をわけるというからくりが!』
  5. 商業利潤について 『商業利潤は流通過程で生まれるんだよね?』
『だから商業が流通を担当することによって消費者価格が上がるよね?』
『だから、 商業を利用すると消費者は損をするんだよね?』
『いいえこれはすべて誤りです!』
『消費者は損をしないし、 商業利潤は流通過程ではつくられないんだよ!』
『えーっ、 なにそれ、 どういうこと?』
  6. 資本主義社会の流通システム 『なぜ流通システムは長いの?』
    (伝統的な流通システム) 『なぜ商業は卸売業、 小売業という区別があるの?』
『卸売業はなぜ 「収集」 「仲継」 「分散」 と機能が分かれるの?』
『だから長いんだ!』
『独占段階になると短くなるんだよ』

 ■4 資本主義の独占段階の商業理論
  7. 資本主義の独占段階ってなーに? 『自由競争と独占とどう違うの?』
『自由な競争が独占になるって?』
『少数の巨大企業が価格競争を通して形成されるんだって!』
『自由な競争の終止符は彼らの共同行為によっておこなわれるんだって!』
『なに、 彼らによって価格支配がおこる?/これが独占だって?』
  8. 独占段階の巨大企業の行動について 『市場問題とはなんだ?』
『巨大企業の行動目的はいったいなんだろうか?』
『自社商品を独占価格でいかに多く販売するかということになるのはなぜだろう?』
『マーケットシェアの維持・拡大に究極の目的が置かれているんだって!』
  9. 巨大企業の設定する独占価格につい 『巨大企業の協力によって設定する独占価格は統一的価格とは限らないよ!』
     て 『価格競争のように見える独占価格があるよ!』
『独占段階だからといって価格競争がないというわけではないんだよ!』
『しかしねぇ、 それは管理された価格競争なんだよ!』
『へぇー、 「管理された価格競争?』
  10. 巨大企業の流通介入について 『自由競争段階のように生産者は作る人、 商業者は販売する人というような役割分担が消えて、 生
産者が生産するだけでなく販売に乗り出してくるよ』
『えー、 そうなると販売を担当していた商業はどうなるの?』
『さて、 どうなるんだろうね』
『それがここでの話だよ』
『ここでは巨大企業のマーケティングや商業の系列化・排除の開顕が論じられるよ!』
  11. 巨大企業の流通介入に対する商業 『巨大企業の流通介入に対して商業は2つの動きがみられるんだよ!』
     の対抗関係の形成について 『一つは前のところでみた 「系列化」 「排除」 だね』
『ここではもう一つの巨大商業の形成による対抗勢力の形成の話だよ!』
『いわゆる産業独占に対する商業独占の形成だね/総合商社、 百貨店、 スーパーなどはそれに該当するよ! (百貨店、 スーパー、 チェーンシステム、 とくにボランタリーチェーン・フランチャイズチェーンの説明あり)』
『流通は巨大独占企業と巨大独占商業の主導権をめぐる戦いによって動いている!』
  12. 現代の流通のまとめ
 
 【 関連する科目 】
 商学部の流通に関する科目です。
 この講義はマルクス経済学を基礎にしています。
 
 【 成績評定の方法 】
 講義の最初の最初の時間に説明します。
 すべて出席することが単位修得の重要な要件です。
 多くのレポートと定期試験の両方(とくに後者を重視)を評価基準にします。

 【 テキスト・参考文献 】
 小谷正守・出家健治 編 『商業理論と流通政策』 ミネルヴァ書房 3,090 円

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+ 商学原理特殊研究

 通年・4単位

 【 講義内容 】
 この講義は石原武政氏の 『まちづくりの中の小売業』、同『小売業の外部性とまちづくり』 を使用して、 まちづくりと商店街の活性化
 の問題を研究することを目的とする。
 小売業の商店数が減少する中で、とくに零細規模の小売業に商店数の減少が集中し、その多くによって構成されている商店街の疲弊が顕
 著になっている。今日、商店街の活性化はまちづくりという視点から行われており、都市論の視点から中心市街地活性化との関係で論じ
 られてきている。この講義ではそのような状況下で、商店街の活性化の問題を考えてみたい。

 【 年間計画 】
 春学期(石原武政 『まちづくりの中の小売業』)
 第1章 深刻化する地域小売業
 第2章 なぜ「まちづくり」を強調するのか
 第3章 まちづくりの主役達
 第4章 まちの資源を発掘する
 第5章 まちはどこまで管理できるか
 第6章 大店法時代の終焉
 第7章 未知へのへの挑戦
 終 章 小売業の活性化を越えて

 秋学期(石原武政 『小売業の外部性とまちづくり』)
 序 章 まちづくりが商業論に問いかけるもの
 第1章 小売業における売買集中の原理の作用様式
 第2章 売買集中の外部性としての小売店舗
 第3章 小売店舗の外部性としての町並みと商店街
 第4章 小売業における店舗規模と外部性
 第5章 都市施設と買い物施設
 第6章 商業集積とまちの管理問題
 第7章 まちづくりのルールと公共性
 第8章 まちづくりのための商業論の構築に向けて

 【 テキスト・参考文献 】
 石原武政 『まちづくりの中の小売業』 有斐閣 1,800 円+税
 石原武政 『小売業の外部性とまちづくり』 有斐閣 3,600 円+税

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+ 商学原理特殊研究演習

 通年 ・2年間を通じて8単位

 【 講義内容 】
 この特殊研究演習は石原武政氏の 『商業組織の内部編成』 を読み、 そこに貫かれている石原理論を研究する。
 併せて大阪市立大学商学部編 『流通』 (有斐閣、2002年) をも併読する。
 修士論文指導は 2年間にわたって行う。
 1年目は論文テーマの設定、 関連文献の収集・読破、 2年目から論文の章立てと執筆というスケジュールできめ細かい個別指導をする。

 【 年間計画 】
 春学期
 序 章 基礎理論と現実の乖離
 第1部 市場と商業
  1. 市場の現実的基盤としての商業
  2. 品揃え形成過程としての商業
  3. 市場におけるコミュニケーション手段としての商業
 第2部 売買集中の原理と小売業の動態
  1. 売買の集中と業種編成
  2. 商業集積における依存関係と売買の集中

 秋学期
  3. 商業集積における競争と管理
  4. 小売業における業態革新
 第3部 生産と流通をめぐる分業関係の動態
  1. 生産と商業の分業
  2. 新たな分業関係の模索

 【 テキスト・参考文献 】
 石原武政 『商業組織の内部編成』 千倉書房 2002 年 3,200 円+税

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+ 商業構造論研究指導

 【 講義内容 】
 本研究指導では零細小売業の研究を行う。日本の小売業において依然として多くの割合を占めているのが零細小売業である。
 そして近年ではこれらの小売業は危機的な状況に置かれている。商店数の減少のみでなく販売額の減少さえも生じているのである。
 ここではこのような状況に置かれている零細小売業を商業構造の視点からその生き残りの方向について研究を行うことにする。

 【 年間計画 】
 春学期
 第1編 零細小売業の根本問題
  1. 零細小売業の現段階の2つの潮流
  2. 零細小売業の根本問題
 第2編 零細小売業の本質的規定
  1. 零細小売業の本質規定の定説
  2. 零細小売業の量的規定の定説規定批判
  3. 零細小売業の質的規定の定説規定批判
  4. 零細小売業の本質的規定

 秋学期
 第3編 零細小売業の現実的規定
  1. 零細小売業の現実的形態把握における問題の所在
  2. 零細小売業の現実的規定の定説と「講座派」の亡霊
  3. 零細小売業の現実的形態の後損論的分析視角と方法論
  4. 資本主義社会における零細小売業の現実的形態

 【 テキスト・参考文献 】
 出家健治 『零細小売業研究』 ミネルヴァ書房 2002年 6,500円

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