貿易論特殊研究(International Economics )                                  

 

経済学研究科(大学院講義)
2008年春学期

 

国際貿易論の基本的なテーマは、貿易の発生、貿易パターンの決定、それに貿易政策であります。

RicardoやH-Oモデルから説明される国際貿易の基本的仕組は応用ミクロ経済学として、

貿易政策問題などはその応用(広い意味での応用経済学)としてアプローチできます。

講義は国際貿易論の全ての範囲をカーバすることより、

基本的仕組みとその応用である政策、貿易協定(FTAなど)に焦点を絞って行う予定であります。

前半には、国際貿易の仕組みに関する理論的モデルと新貿易理論とも呼ばれている、不完全競争の貿易理論を講義します。

また、応用として貿易政策の理論、経済成長と貿易、経済統合(FTA)の理論を講義します。

後半には、国際貿易に関するいくつかのトピックスを選び、その理論的背景、傾向、方向性などを検討していく予定です。

なお、講義内容の多くはミクロ経済学を基礎としているので、ミクロ経済学の基礎的内容の復習が必要です。

講義は、全員参加の演習発表形式で行います。

報告担当者を決め、テキストや論文の内容をまとめた発表と質疑、ディスカッションする形で講義を進めます。

 

1回 国際貿易の範囲と方法1            第16回 新貿易理論

2回 国際貿易の範囲と方法2            第17回 産業内貿易の理論

3回 比較優位と貿易                    第18回 産業内貿易の検証

4回 リカードモデル                    第19回 GATTWTO

5回 リカードモデルの貨幣的側面        第20回 地域貿易協定の理論(RTA

6回 産業構造と国際貿易(リカード)    第21回 自由貿易協定の理論(FTA

7回 ヘクシャー=オリーンモデル1      第22回 FTAの経済分析

8回 ヘクシャー=オリーンモデル2      第23回 資本移動の理論1

9回 S-Sの定理                         第24回 資本移動の理論2

10回 リプチンスキーの定理             第25回 トピックスA-1

11回 特殊要素モデル1                 第26回 トピックスA-2

12回 特殊要素モデル2                 第27回 トピックスB-1

13回 貿易政策の理論                   第28回 トピックスB-2

14回 関税政策の理論                   第29回 トピックスC-1

15回 保護貿易と産業政策                 第30回 トピックスC-2

テキスト・参考文献

@伊藤元重・大山道広、『国際貿易』、岩波書店

AP. R. Krugman and M. Obstfeld, International Economics: Theory and Policy, ADDISON-WESELY

B木村福成、『国際経済学入門』、日本評論社