今年もやってきました上通りゆかた祭りの開催です.例年は,梅雨明けの本当に暑い日の開催ですが,今年は前日までの「これまでに経験したことのない」豪雨のと打って変わっての猛暑! それでも,小さな子供連れの家族や多くの老若男女が中心市街地を訪れ,イベントに参加していました.ゆかたを着てくると値引きなどの得点もあるため, 若者から円熟の女性まで,この日ばかりは多くの人がゆかたを着てまちなかを闊歩しています. AKB48の姉妹グループHKT48のメンバーがオープニングでは 「カチューシャ,外しなーがらー・・・??」を熱唱.しかし,暑そう!!
本当に久しぶりに青空を見ることができた15日,阿蘇地域,熊本地域に降った12日未明の集中豪雨で氾濫した白川沿いの熊本市北区龍田陣内4丁目付近の視察に行ってきました. 前日までの天気と打って変わって猛暑! この地域は,まさに蛇行した白川が大きく蛇行している突き当たりに位置し,垂直の高いコンクリートの堤防があるけれども, 今回の水流は軽くこれを超えたようです.県道337号線から白川へかなり急な坂を下りなければならないのですが,「リバーサイドニュータウン」と銘打って開発された地区です. 多くの家が床上まで浸水しており,畳や家具は全て廃棄しなければならない状況で,周辺の街路は家や庭からかき出された泥とこれらの山になっています. 多くのボランティアが泥の除去を手伝っていましたが,暑さと際限のない泥で,住民の方々ともヘトヘトになっているようでした.神戸の震災も東北の津波跡もしばらく経ってから視察に行きましたが, 被災直後の状況を見るのは初めてでした. 設立間近の減災センターで組織的な調査と分析が求められます.
20120.6.25-26にミシガン州アナーバーミシガン大で開催されたAging,Mobility and Quality of Life 2012で 「An Experimental Study on Possibility of QoL Improving by using Personal Mobility in an Aging Society」と題した研究発表を行いました. ミシガン大学のあるアナーバーは,デトロイトから高速バスで1時間程度のところにある大学街です.都市圏人口は30万,市域は11万程度の小さな街ですが, 州立ではUCの次にランクの高いミシガン大学があり,街の中心部は種々の色の瞳をした学生達がすばらしい大学の建物や施設とのどかな環境の中で勉強に, キャンパスライフにエンジョイしていて,非常に活気のある街でした. AMQoL2012はその名の通り,高齢化とモビリティ,およびその生活の質に関する国際会議で,医学,福祉,都市社会学,交通計画など, 様々な研究分野の研究者が集まって議論をする,まさに学際的な国際会議でした.日本からは主として東大,京大,神大,および熊大から参加がありました. 溝上教授も新しい研究分野での初の海外発表ということもあり,久しぶりに非常にナーバスになって,発表時は口の中がカラカラになっていました.
6月10日(日),11日(月9の2日間,広島で第2回広島大学-熊本大学合同セミナーが開催されました.このセミナーは, 人も施設も古くなった(Old)かつてのニュータウン(Newtown)が抱える種々の問題(Old Newtown問題)を明らかにし, その解決策を色々な分野から見つけようというもので,昨年は熊大で開催されました. 今年は熊大側から教員・研究員6人(岡田,柿本,円山,増山,三池,溝上),学生8人(円山研3人,星野研2人, 田中研(予定も含む)2人,溝上研1人),それにモンパルQoLプロジェクトの川島(日赤),矢口(ホンダ),坂田(熊本県)の計17名が, 広大から13人,その他広島関係者10数名が参加する大規模なセミナーになりました. プログラムのように,全員で,PMをショッピングセンターで活用している楽々園モビリティタウン, 開発後40年あまりを経過して多くの課題が顕在化してきている高陽ニュータウンを視察後,高陽ニュータウンの開発の経緯や現状, 将来構想に関する研究会が開催されました.その後,学生諸君は3グループに分かれて翌日の成果発表会のためのフィールドワーク, 教職員と広島からの参加者は研究報告と意見交換会を行いました. 幹線道路の両側に,突如として現れる小高い山を切り開いて開発された1万人規模のニュータウンは, かつては新しい生活への期待を胸に移り住んだ天空の楽園だったはずですが,いまは高齢化が進み,坂道や階段の上り下りが苦痛になり, 空き屋が増え,コミュニティセンターの店舗のシャッターが一日中開かない状態になっています. 熊大の計画系の研究室では,各自の得意な視点からオールドニュータウン総合定期な診断とその処方箋の提案を行っていく予定です.なお,学生によるフィールドワーク成果発表会では緒方君のグループが最優秀賞を獲得しました.
3月に博士課程を修了し,学位(博士(学術))を取得した殷さんが旦那さんの習さんと共に,明日,中国に帰国します. 3年半前に博士課程の学生として研究室にやってきた殷さん.勉強に励む一方で,妊娠・出産も経験しました. 学位論文の題目はAn Evaluation Method of Compact City based on Individual Energy Consumption Behavior (効用水準とエネルギー消費の視点から見た都市のコンパクト性評価手法)で, 学術的にも実用的にも非常に水準の高い研究を成し遂げました. 帰国後は夫婦共に寧波大学に勤務し,殷さんは海運学院,習さんは医学院で教育と研究に当たるそうです.お二人の益々の活躍を期待しましょう. また,寧波市は市民所得が中国で最も高い都市で,多くの富豪が住んでいるそうです.近いうちに皆で寧波市を訪問しましょう.
財団法人九州経済調査協会が発行する月刊誌九州経済調査月報に,溝上教授が「政令市熊本の交通体系と中心市街地の再デザイン」を寄稿しました. 2012年4月1日をもって政令市に移行した熊本市が掲げている「挑戦元年アクションプラン」の中の「Ⅰ.熊本の再デザインに取り組みます」としている 「交通体系」と「中心市街地」の再デザインについて,市の委員会や政策として実際に検討されている各種施策の理論的基礎となっている研究室での研究成果を紹介しています. 卒業生諸君の修論や卒論の内容が出てきます.是非,ご覧ください.
2006年に博士前期課程を修了した山田健太君が5月5日,まさに五月晴れの中,福岡百道浜のマリゾンで結婚式を挙げました. 当日は山田君の4年先輩から3年後輩まで,足かけ8年にわたる12名の研究室の卒業生が,北は札幌,南は鹿児島から披露宴に集まり, まるで研究室のOB会のようでした. 相変わらず,いつも歯を出してニコニコと笑っている新郎健太君でしたが,ご両親への挨拶は涙を誘うほど感情のこもったもので, 披露宴列席者へのお礼の言葉はなかなかのものでした.就職して業務に汗をかき,結婚して伴侶を持つ今,本当にしっかりしてきましたね.
電車でトーク!バス・電車・自転車を活かしたまちづくり」に溝上教授が出演しました.これはアースウィークくまもと2012の特別企画です. 毎年,この時期に実施される地球温暖化防止および低炭素社会の都市づくりを目指す活動の一環として,市民・事業者・行政がノーマイカー通勤の普及を呼びかけるためのパレードに合わせて, 市役所電停前から関係者が市電に乗り込み,車窓から沿線の街並みを眺めながら,「バス・電車・自転車に乗ろう!」をテーマに, 低炭素のまちづくりと公共交通を中心としたまちづくりを語り合おうというものです. 今回はアースウィーク実行委員会委員長の坂本熊本学園大学元学長をコーディネーター,溝上教授がコメンテーターとし,県,市の交通, 環境部署,環境省九州地方事務所などの行政,LRT市民研究会やくまもと温暖化防止センターをはじめとするNPOや市民団体の関係者総勢35人が貸し切りの電車に乗り込んで, 市役所選定から熊本駅,折り返して健軍,そして市役所まで,車中で約1時間40分のトークを繰り広げました.
今年は厳冬と初春の寒さのせいで,例年なら卒業式の時には8分咲きになる桜も,4月4日の入学式に満開の状況です. こんな中,今年も研究室に4人の卒研性が配属されました.今年はいずれの4年生も「交通計画学」を(成績は余り良くはなさそうですが)受講していますし, この講義を聴講して,ますます交通に興味を持ったということです. 今年は,D2が1人,M2が1人,M1が2人という小さい所帯になりましたが,まちづくりやモビリティ改善に関する多くのプロジェクトを抱えています. 研究室一丸となって楽しく研究やイベントを推し進めていきましょう.
今年度より,長年,研究室名として使ってきた「社会基盤計画学研究室」を「交通まちづくり研究室」に改名します.元の名前が 1)堅いし,今風でない,2)現在の研究の内容が少しシフトしてきたのがその理由です. 交通まちづくりとは,持続可能で豊かな生活・社会の実現を目指す,まちづくりに貢献する価値創造型の交通の計画や政策です. これまでは,交通渋滞対策や効率的バス輸送計画など,交通現象・行動そのものやそれに起因する課題の解決に努力してきましたが, それらの究極の目的は生活の質の向上や活気あるまちなかの実現です.これまでにも, 都心のコイン式平面駐車場の有効利活用方策や高齢化社会におけるパーソナルモビリティの利活用などに関する研究を蓄積してきましたが, これからはさらに研究の方向を拡大・発展・充実させていきます. 卒業生の皆さん,研究室の名前は換わっても,これまでと同様にご支援の程,よろしくお願いします.