川口 充洋
Atsuhiro KAWAGUCHI
Curentry, shared-taxi is run in steep or narrow area and underpopulated area in Japan. In Kumamoto city, many area run this too and started in 5 area since 2014. We carried out a questionnaire survey to evaluate transportation services to clarify the activity of the inhabitants before and after introducing started shared-taxi by using Daily-Activity-survey and analyze the changes of activities by different in individual attributes and area characteristics. In adition, we analyze relationship to between survice, area characteristics and use the number of time.
KeyWords:Activity-Daily-survey, Space-time prism, Bayesian network-analyze, Bayes' theorem Shared-taxi
近年、人口減少や自動車への依存といった要因により,公共交通サービスが縮小,利用者が減少し,それが,更なるサービス縮小を生むといった悪循環に陥っている地方が多い.しかし,集客施設の郊外化が進むと共に,少子高齢化,障がい者の社会参加,移動手段の確保により公共交通の重要性が高まっている.特に自ら車を運転できない交通弱者や高齢者の移動手段の確保が重要視されており,社会全体で,公共交通サービス水準の向上・維持していくことが解決すべき重要な課題である.
それらの問題を解決するため,新たな交通システムが導入されており,本研究の対象である乗合タクシーもその一つである.乗合タクシーとは,運行経路をバスではなくタクシーで輸送する交通システムであり,急峻だったり狭隘な道路しかないような地域や,過疎地など路線バスの機能が充分に発揮できない地域で運行されている.本研究の対象地域である熊本市でも同様に,人口密度の少なく公共交通サービスが充分に行き届いていない,いわゆる公共交通空白地域を対象に,複数の経路で乗合タクシーが運行されており,住民の生活を支えている.しかしながら,その利用状況は地域によって大きく異なり,ほとんど利用されていない地域が存在する.
既存の研究としては,田之上1)らが、乗合タクシー導入前後でのアクティビティ・ダイアリー調査(Activity Diary Suevey,以下AD調査)による時空間パス分析やベイジアンネットワーク分析を用い,乗合タクシー導入前後におけるアクティビティ変容分析した.時空間パス分析では,交通弱者である高齢者が乗合タクシーの導入により活動範囲が広がること,ベイジアンネットワーク分析では,乗合タクシーの利用率の向上が買い物活動の活性化につながることを明らかにしている.そこで,本研究では,熊本市で新たに2014年5月と2014年11月より新たに導入された乗合タクシーが導入された地域を対象に,その導入効果を検証するためAD調査と公共交通サービス評価に関する調査を実施し,同様の分析を行う.ベイジアンネットワークによるアクティビティ変容の分析では,活動間の関係を活動の順序のみを考慮していたのに対し,本研究では,活動の順序を時間の経過とともにモデル化することによろ同ノード番号の時間を一致させたうえで分析する.さらに,熊本市では複数の路線で乗合タクシーが運行されていることから,回帰分析を行うことにより,乗合タクシーの利用回数と地域特性や運行形態などとの関係性を明らかにしたうえで,個人属性だけでなく地域特性が異なる場合での,乗合タクシー導入前後のアクティビティ変容の違いの分析を行う.これによって,乗合タクシーの利用状況や導入効果と個人属性,地域特性との関係性を明らかにし,乗合タクシーの利用率向上や今後の乗合タクシーの導入の是非の検討を行うための一助にする.