古澤 悠吾
Yugo FURUSAWA
Although traffic problem exist some, however, the number of users who use the car-sharing service has been in-creasing year by year. “One-way type” car-sharing is not popular in japan because of the difficulty of the operation system and deviation of demand and syortage of parking spases . Therefore there are not the date about the process of dissemination of “one- way type” car-sharing. This study has two purposes , the first one is to build an operational system in consideration of a spread process of car-sharing. The second is to analyze the effect for process of spread by various changes into simulation system.
KeyWords:micro electric vehicle “ one-way type” car-sharing system ,simulation analysis ,rate of spread
日本のCO2排出量のうち,運輸部門からの排出量は約20%を占めており,その排出量の約9割は自動車から排出されている.自動車・交通分野のCO2削減・省エネルギーは,政府のエネルギー・環境戦略上,極めて重要な柱である.中長期的な自動車分野の省エネ化には,徹底した燃費改善に加え,特に省エネルギー・環境性能に優れた電気自動車の効果的な普及が必要である.
電気自動車の効果的普及のためには,成功事例を創出しその普及を加速するとともに,充電箇所の設置等の電気自動車の弱点を克服し,自動車利用の実態に即した新たな交通サービスの導入が必要である.その新たな交通サービスとして着目されているのがカーシェアリングサービスである.カーシェアリングを利用する為には,入会手続きを行い,あとは利用したい時に予約するだけで簡単に車両を利用することができる.数時間前から予約が可能であるため,ふとドライブしたい時,急用が有る時にも便利である.また車両を利用した分だけ料金を払
うので,レンタカーほど料金もかからない.実際にMV (Micro Vehicle)やMEV(Micro Electric Vehicle)などの小型自動車,小型電気自動車を利用し事業を行う企業も存在し,環境負荷削減の取り組みとしても注目され,利用されている.
カーシェアリングには返却方法でワンウェイ型とラウンドトリップ型に分別できる.車両を返却するデポは必ず借りたデポと同一でなければならないラウンドトリップ型と車両を返却するデポが借りたデポと異なってもよいワンウェイ型の2種類である.またワンウェイ型は返却場所の有無によってステーションベース型とフリーフロート型に分けられる.ステーションベース型は専用のステーションが存在するがフリーフロート型には専用のステーションは存在せず路上や公共の駐車場に返却することが出来る.また導入地域と対象需要からもシティーカー型,セカンドカー型,ステーション型に3分類することができる.シティーカー型は都心部や市街地での日中の生活や業務での利用を対象とされている.セカンドカー型は郊外住宅地などで主に買い物での利用を対象とし,ステーションカー型は郊外での通勤や業務を対象としている.ラウンドトリップ型よりもワンウェイ型の方が利用者側は利便性が高いが需要の偏りにより借りたい時に車両がない,返却したいのにデポに車両が満車で別のデポに返却せざるをえないなどの問題が生まれる可能性がある.この様なシステム構築の難しさや,駐車場の確保の難しさなどが原因で,国内で大規模なワンウェイ型カーシェアリング(以下OWSと表記する)事業は行われていないため,ワンウェイ型カーシェアリングの普及過程も分かっていない.
本研究では普及過程に影響を受けるOWSシステムへの置き換えモデルの構築を行い,運用シミュレーション分析を行う.また様々なパターンでシミュレーションを行うことで,各要素が普及過程にどのような影響を及ぼすか分析する.
本論文は6章から構成されている.第2章ではカーシェアリングの現況と既存研究について述べる.第3章ではOWSシステムへの2つの置き換えモデルについて説明し,第4章ではその置き換えモデルを用いたシミュレーションの手順の説明とシミュレーション結果の分析を行う.第5章では普及過程に対する様々な要素の影響分析を行い,第6章で本研究の成果,課題,活用可能性について述べる.