八戸 龍馬
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In recent years, the spread of various car sharing services are progressing in the world, and user of peer to peer car sharing services that dedicated parking lot and vehicle are unnecessary is increasing. Moreover, a new transportation mode combining this service with an automatically driven vehicle has attracted attention.
This research investigates the impact analysis of Popularization of services combined peer to peer car sharing and autonomous driving vehicle on urban and mobility by simulation analysis.
KeyWords: Autonomous-Vihicles,Car-Sharing,Simulation Analysis
近年,都市における新たな交通手段としてカーシェアリング(以後,CSと記す)が注目され,サービスの多様化も進んでいる.その中でも専用の駐車ステーションを必要としない個人間CS事業,例えばAnycaの様なサービスは徐々に利用者が増加している.これは従来のCSと異なり,運営企業が車両を保持し,貸し出す必要もないため,自動車業界以外のIT事業を手掛ける企業の参入も比較的容易だからである.NTTドコモが2017年11月より「dカーシェア」というCSとレンタカーをワンストップで提供するサービス提供を開始し,その中で個人間CSの仲介も行うと発表した.
一方で,自動運転技術の進歩は著しく,自動運転車両の実証実験も進んでいる.国土交通省は自動運転に関して,自動運転車両の導入は交通量を大幅に改善し,交通事故の削減,付加価値と雇用を創出するとしている.この完全自動運転車がCSサービス用の車両となった場合には,様々なCSサービスが展開されると予想され,既存のモビリティや社会全体に大きな影響を与えると考えられている.それと同時に,近年の自動車利用のニーズの変化や人口の減少等により,自動車の保有台数の伸びが鈍化する中,大都市や地方都市における駐車場施策も転換期を迎えている.自動運転技術が普及した際には,駐車場にも大きな影響を与えるであろう.
本研究では,国内でも普及可能性の高い個人間CSと自動運転車両を組み合わせた自動運転シェアリング(以後,AVS : Autonomous-Vehicles Sharingと記す)サービスに対する需要予測モデルを組み込んだ運用シミュレータを用いて,熊本都市圏におけるAVSサービスの普及が都市構造やモビリティ,特に都心部の駐車時間の分布等に与える影響の分析を行う.
本論文は5章から構成されている.まず第2章でCSと自動運転技術,駐車場施策の現況と研究課題について述べる.第3章ではAVSサービスへの転換モデルと運用シミュレータの概要について述べる.第4章ではインパクトの評価方法.第5章ではAVSサービス導入前後の都心部の走行や駐車特性値の変化について述べる.最後に,第6章で本研究の結論と問題点について述べる.