倫理学概論I
倫理学概論I (春学期・2単位)
長友 敬一
授業内容(主題と目標)
私たちは様々な状況に出会いながら生きている。 人に親切にしようと思う時もあれば、 仕方なく嘘をつく場合もある。 また、 人生に関わる選択を強いられる時もあるし、 友人の相談に答えなければならない場合もある。 そのような場合に、 自分はどうするのがいいのか。 その時の行為の善悪を判断する基準はあるのか。 あるとすれば、 その基準は誰にとっても同じなのか。 そもそも、この世に正義や善などの価値的な事柄は存在しているのか、それともみんなの幸福を達成するものを正義や善と呼んでいるのか? この講義では、正義や善などの価値的なものが存在するのかどうか、また、私たちの抱く価値観は人類に共通な真理があるのか、それとも文化や国家によって異なるのか等に関して、様々な見解を参考にしつつ共に考察を重ねることを主題とする。この講義の目標は、 知識の伝達よりも、 基礎的な思考の訓練を共に経験することにあるので、 そのような心構えで受講されることを希望する。
授業計画
春学期
0. ものの見方を考える (「常識」 の検討)
1. 倫理学の位置づけ
2. 倫理学の成立の歴史
3. 相対主義の検討と問題点
4. 真理と存在に関して
関連する科目
哲学概論、 社会思想、 社会思想史、 心理学、 文化人類学、 等
成績評定の方法
試験による評定を行う。ただし、出席が不足する場合、受験資格を失う。
テキスト
村松・小泉・長友・嵯峨編『はじめて学ぶ西洋思想』、ミネルヴァ書房、2004年
販売所
丸善プラザ
参考文献
加藤尚武『現代倫理学入門』、講談社学術文庫、1997年
J. W. メイランド『相対主義の可能性』、産業図書、1989年
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