ワードアソシエーションにおける世界共通の
分類的回答パターン及び日本と韓国の例外性
要旨
ワードアソシエーション(WA)に対する世界の多くの成人の回答パターンは分類的
(paradigmatic) であるにも関わらず、日本人の多くは、イメージや特徴を表す
(syntagmatic) 回答パターンを示す。この違いの原因の一つとして、多くの欧米諸語と異なる日本語の文法的要因(言葉の順序、助詞の役割など)が考えられる。
本論は、日本語に文法的に近い韓国語の話者においても、同じ傾向が見られるのかという実験結果を報告するものである。韓国の学生29名を対象に韓国語での
WA 実験を行なった。結果として、ドイツ、フランス、米国の回答パターンと違って、韓国人のパターンは日本人と同様、分類的
(paradigmatic) ではなく、イメージ的 (syntagmatic) な傾向が強いことが分かった。
この結果からいえるのは、イメージ的な答え方は日本独特なものではないと同時に、日本と韓国における多くの共通点の中原因があると思われる。特に言語的な共通点がその原因として有力な候補だと考えられる。