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笹山茂の最近の著作一覧


為替レートは安定分布か[top]

金融資産の収益率は正規分布ではなく,裾厚の分布を持つことが知られている.そのような裾厚の分布を説明するのが安定分布である.1980年代から1990年代の円ドルレート収益率は安定分布に従っているかどうかを検討するのが本論文の目的である.日次データをベースにタイムスケールを違えた収益率のデータセットを作成して詳細に検討すると,尖度はタイムスケールが長くなるにつれて低下し3に近づいていくが,しかもその低下は単調ではなく,途中上下動を伴う複雑な動きをすることが確認できた.このことはタイムスケールに関係なく,分散を調整すれば分布の形状は同一になるとする安定分布とは相容れない観察結果であった.

ARCHとGARCHの円レートへの適用可能性:シミュレーション分析[top]

現実の円レートの変化率は尖度が大きく,分散が不均一であるが,これらを説明する理論としてARCH系のモデルがある.本稿は,ARCH,ARCH-MとGARCHモデルを円レートの実証分析に適用可能であるかという観点にたってコンピュータシミュレーションにより,その可能性を探った.その結果,実際の円レートの動きを説明するという点において,ARCHモデルはランダムウォークと識別できないことがわかった.ARCHの次数を上げても結果は同じであった.ARCH-MとGARCHはランダムウォークと識別可能であったが,ARCH-Mは尖度の上昇を説明できなかった.GARCHは尖度の上昇も説明できたが,その大きさはモデルが予想する程の大きさではなかった.いずれにしても3者の中ではGARCHが最もよい成績を示した.

パソコンソフト活用の極意[top]

経済学を学ぶ学生を対象にしてどのようにパソコンを活用したらよいかを具体例を挙げながら説明している.代表的なソフトウェアを紹介すると同時に,特に,表計算ソフトの経済学への応用を中心にして解説している(全文記事講読できます.6000字).
『電脳経済学のススメ:超・入門経済学1997 経済セミナー増刊』(日本評論社)には,その他経済学に役立つインターネットのサイトの紹介をはじめとして,経済学の各分野の学び方の指南書ともなっているので是非参照を勧めます.

為替レートと貿易収支の調整[top]

1973年の変動相場制以降の円高にも拘らず,日本の貿易収支(あるいは経常収支)の黒字の調整が進まないのはなぜかという問題意識にたって,Jカーブ効果,Sカーブ,履歴効果,貯蓄投資バランスの観点から分析.第1節,日本の貿易収支は過大か.第2節,Jカーブ効果はなぜ起きる.第3節,履歴効果(ヒステリシス)とは何か.第4節,マクロの視点からみた貿易収支.

マルチメディア時代の企業経営〜情報の取り込み方〜[top]

インターネット活用の時代を迎えて,企業内でも電子メールをはじめとしてインターネットでの情報発信が重要性を増すことを指摘.そのためにも,デジタル化とネットワーク化が企業組織にも必須であることを説く(全文記事講読できます.7,200文字).

為替レートと日米経済関係[top]

1973年の変動相場制以降後の円ドルレートの推移を日米経済関係に焦点を当てながら,歴史的・理論的に実証分析を交えながら分析している.第1節,変動相場制下の円ドルレートの変遷.第2節,円ドルレートを決める要因.第3節,円ドルレートと貿易収支調整機能.第4節,金融市場の開放と円の国際化.

マクロ経済分析:表計算で学ぶ経済学[top]

マクロ経済学のテキスト.田中利彦,坂上智哉教授との共著.第1章及び第8章〜第12章を担当.マクロ経済の分析に表計算の利用が効果的であることを提案し,その応用について具体例を示したのが大きな特徴である.

Chaos Structure in Financial Markets: R/S Analysis [top]

This paper examines the chaos theory which has nonlinearity in its nature and the advantage over the current capital market theory because it could be one of the promising alternatives which substitute for the traditional efficient market hypothesis. Several charateristics that are necessary for chaos or chaotic regime to be identified are reviewed. In order to empirically detect the chaotic or fractal property in the financial markets, a nonparametric method, called rescaled range (R/S) analysis, is employed and its different methods and procedures are discussed in detail. we applied R/S analysis to the financial markets using the monthly Japanese yen/dollar exchange rate and the monthly S&P stock prices. Most of R/S statistic from financial markets show the Hurst exponents different from 0.5 in various empirical works. Our study shows that the financial asset prices such as monthly yen/dollar rate and stock prices do not follow a random walk but has the trend-reinforcing chaotic structure. we can find a strong "memory effect" for the Japanese yen. 朴哲洙教授との共著

マッキントッシュで経済学[top]

経済学は計量経済学や統計学などに見られるように、社会科学の中では最も早くからコンピュータを積極的に利用してきた.経済データを分析するためにコンピュータを利用するというのはコンピュータの古典的な利用形態である.本書が意図したのはもう一つのコンピュータ活用すなわち,経済の理論あるいはメカニズムの理解に役立つコンピュータの利用である.経済学には現実の経済のエッセンスだけをとりだして数式で表現するモデル分析という考え方があるが,本書ではマクロ経済の基本的なモデルを表計算ソフトや数式処理ソフトを用いればシミュレーション分析が簡単にできることを示している.その他,コンピュータを利用した論文の書き方からプレゼンテーションの仕方、さらにはパソコン通信を利用したコンピュータネットワーク社会への対応等などがカバーされている.
左のインデックスに詳細な情報があります.

マッキントッシュ使いこなし自由自在〈第2版〉[top]

経済学部の学生を対象としたコンピュータ(マッキントッシュ)を使用した情報教育のテキスト『マッキントッシュ使いこなし自由自在』(1992年)の第2版.ネットワークと通信,及びマルチメディア関連部分を拡充した改訂版.全9章からなる.4章の表計算と6章の統計分析では回帰分析を中心とする計量経済学の基礎を解説.
左のインデックスに詳細な情報があります.

ASAHIパソコン[top]

Macで入門!経済学[top]

(注)「MACで入門!経済学」の連載は『マッキントッシュで経済学』に収められています.

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(C) Shigeru Sasayama, Kumamoto Gakuen University