第8回 現在価値法

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現在価値法[top]

将来えることが予想される収益を現在時点で評価する計算方法が「現在価値法」です.

n 年後の収益の現在価値=n 年後の予想収益/ (1+割引率)^ n

NPV関数とPV関数[top]

現在価値を計算する内蔵関数には,NPVとPVがあります.

NPV(割引率, データ範囲)

PV(利率, 期間, - 定期受取額)
(注意)定期受取額にはマイナス記号がつきます.

予想収益が一定の場合は,NPV関数とPV関数は共に正しい結果を返します.

予想収益が異なる場合は,PV関数は正しい結果を返しません.
NPVは正しい結果をだします.

内蔵関数は便利ですが,ブラックボックスです.現在価値の定義から得られる計算方法を理解することがまず大切です.その上で内蔵関数の利点を生かして上手に使いましょう.

(注意)MS-Worksの場合は以下のようになります.
PV(定期支払額, 利率, 期間) 
NPV(利率, セル範囲)

投資の限界効率[top]

ケインズの投資の限界効率も現在価値法の計算の応用です.投資費用と将来の収益の現在価値の合計を一致させる割引率のことを,投資の限界効率といいます.

投資費用を方程式の定数項とし,将来の収益の現在価値の合計を示す式を方程式とみなせば,この高次方程式からゴールシークあるいはソルバー機能を利用すれば,投資の限界効率を表計算で求めることができます.

債券価格[top]

債券の価格(市場価値)も現在価値法で計算します.
債券の種類:利付債券と割引債券

PRICE関数:利付債券の現在価値を計算する

PRICE(受領日, 満期日, 利率, 期待収益率, 額面価格, 頻度, 基準)
 頻度は,クーポンが年何回支払われるかを示す数値
 基準は,0のときは1カ月30日で1年360日で計算

毎期毎期同じ額の利子が支払われるときは,PV関数を使っても債券の価値を計算することができます.

PV(期待収益率, 年後, - 利子受取額)

YIELD関数:利付債券の最終利回りを計算
YIELD(受領日, 満期日, 利率, 市場価格, 額面価格, 頻度, 基準)

YIELDDISC関数:割引債券の最終利回りを計算
YIELDDISC(受領日, 満期日, 市場価格, 額面価格, 基準)

(注意)満期日と受領日は,DATE関数で日付を入れた後,そのセルを参照して,標準表示(数値に変換したもの)にした数値を各関数で使わなければなりません.日付そのものを関数で使うことはできません.

(注意)PRICE関数,YIELD関数,YIELDDISC関数関数はアドイン関数ですから,初期インストールの段階では入っていません.追加インストールする必要があります.

Worksの金融関数

テキストではエクセルで説明しているので,ワークスを利用する場合は,以下の関数を使ってください.

NPV(利率, セル範囲) 正味現在価値を計算

PV(定期支払額, 利率, 期間) 現在割引価値を計算.ただし,エクセルの関数とは引数の順番が異なる.

PMT(借入金額, 利率, 返済期間) ローン等の定期支払額を計算,エクセルとは引数の順序が異なるので注意

RATE(売却予定価格, 購入価格, 期間) 投資利益率を計算

TERM(定期支払額, 利率,目標金額) 目標金額に達するまでの月回数を計算

切り捨て関数
 INT TRUNC

四捨五入関数
 ROUND

ワークスで使えない内蔵金融関数

FV(定期支払額, 利率, 期間) 
複利による将来価値を計算.ただし,エクセルのFVと違い,定期支払額の所は毎期毎期積み立てる金額が入る.通常の複利計算はできない(P49)
PRICE(P58 表4.6)
YIELD(P61 表4.9)
YIELDDISC(P61 表4.9)


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