第9回 ローンの計算

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ローンの計算[top]

ローンの計算は現在価値法の応用です.現在価値法の考え方が理解できれば車から家のローンまで自分で毎月の支払額を試算することができます.

ローンの毎月の支払金額の公式

借入金をL円,借入期間をnカ月とし,月利をrとします.このとき毎月の返済額xは次の式から求められます.このときの基本的な考え方は,毎月の返済額の現在価値の合計が借入金に等しくなるようにするということです.

 L = x*(1/(1+r)+1/(1+r)^2+1/(1+r)^3+ ... +1/(1+r)^n)

(注)n項までの等比級数の公式
  初項*(1ー公比^ n)/(1ー公比)

上の公式を使うと,上式は

 L = (x/r)*(1-1/(1+r)^n)
 x = r*L/(1-1/(1+r)^n)

表計算のワークシート上では例えば次のようになります.

   =(B7/12)*B3/(1-1/(1+B7/12)^(B5*12))

ここで,B7は年利率の値,B3はローンの金額,B5は返済期間の年数です.12で割ったり掛けたりしているのは月単位に変換するため.

上と同じことを内蔵関数PMTを使って計算することができます.
PMT関数は次のような形をとります.

    PMT(利率, 返済期間 , - 借入金額)

借入金額の前にマイナスが付くことに注意.

注:Worksの場合はPMT(借入金額, 利率, 返済期間)となります.

練習[top]

金利が年5.6%(複利),20年の返済期間で1000万円を借り入れたとき毎月の返済額を計算しなさい.
PMT関数を使う場合と使わない場合の2通りで計算しなさい.
両者の計算結果が同じになることを確認しよう!

(解答)
PMT関数を使わない場合:

    =(A8/12)*C8/(1-1/(1+A8/12)^(B8*12))

PMT関数を使う場合:
    PMT(利率, 返済期間 , - 借入金額)
    =PMT(A8/12,B8*12,-C8)

月利率は年利率を12で割って求めます.20*12は20年間の返済を月数に変換したものです.上の例では,A8に年利率,B8には返済年数,C8には借入金額が入力してあることを前提にしています.

(上の解69,354円,小数点以下は切り捨て)


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