第16回 動学モデル

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サムエルソンモデル[top]

財市場均衡式 Yt = Ct + It + Gt            (1)
消費関数   Ct = c Yt-1               (2)
投資関数   It = b(Ct - Ct-1) = bc (Yt-1 - Yt-2)  (3)
政府支出   Gt = Go                 (4)

(2)から(4)を(1)に代入して整理

    Yt = c(1 + b) Yt-1 - bc Yt-2 + Go       (5)

定数係数の2階差分方程式がえられました.

(1)から(4)のモデルから,各係数(c, b)と定数Go,それにCとIの初期値 Co, Io を決めると,順繰りに所得は決定されます.これは,結果として(5)の差分方程式を解いたことと同じです.
ここでは,Go=1, Co = Io = 0, c = 0.5, b = 1 を入れます.

c と b の与え方によって,モデルの解であるYの経路がどのように変わるかを探ってみましょう.以下の5つのパターンがあります.
○減衰振動
○持続減衰
○発散振動
○持続発散
○循環振動

景気循環モデル[top]

サムエルソン・ヒックスの景気循環モデル
財市場均衡式 Yt = Ct + It + Gt            (1)
消費関数   Ct = 0.8 Yt-1              (2)
投資関数   It = 4(Ct - Ct-1) = 3.2 (Yt-1 - Yt-2)  (3)
政府支出   Gt = 1                 (4)

乗数と加速度原理を組み合わせて景気循環を説明するモデルです.
b と c の値は,Yの値が発散するタイプが選ばれます.

景気循環の「天井」と「床」はある一定の率で上昇していると仮定します.所得は,これらの天井と床の間でピンボールのように循環します.このときの所得の動きを説明するときに,IF関数を応用します.


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