小川弘和

日本中世史専攻
熊本学園大学経済学部教授



●略歴     


●主たる業績  


●コンピュータ歴
〔1983年〕
マイコン・ブームのなか、中学生でも小遣いを貯めれば何とか買えたホビー・マイコンのなかで最もスペック・デザインの気に入った、今はなきSORD M-5を購入。高校の頃まではBASICでゲームを組んで遊んでいたものの、以後長い休止期間に入る。
〔1994年〕
Macintosh Paforma 275を購入。ごく最初の頃は、BASICが主流だった頃の感覚が抜けず、OSやアプリケーション、ファイルといった概念を飲み込めなかったが、やがてご多分に漏れず色々カスタマイズして悦に入ることになる。メモリ8MB、HDD180MBのこのマシンでYooEditやEGWORD 5をサクサク動かし本一冊分の博論を書いたのかと思うと隔世の感がある。
〔1996年〕
友人に勧められ旧NiftyServeに加入。プライヴェイト・ページのほうで使っている「髑髏石」というハンドルはそのとき以来のもの。大学教員という「権力」に依存せず、あくまで一個人として情報発信したかった(残念ながら、この辺りのニュアンスがわかっていない「大学人」は非常に多い。大学内の公的ドメインに喜々としてとてつもないファイルサイズの家族写真を載せたり、はたまた、お友達掲示板をおいておくなど、もっての外であろう。)ので、当初はハンドルを用い、TeX関係ページもiDiskのほうに作成していたが、配布物の容量が巨大になり、かつ、責任の所在を明示したほうがよい状況となったので、こちらのページを作成することとなった。
〔1997年〕
Niftyの某会議室に入り浸ることとなり、出先でのアクセスを考慮しPowerBook2400c/180を購入。しかしアタリが悪かったのか、数度の修理を経ていまやG3/320MHZ、メモリ112MB、HDD20GBの体に変貌。長く使うつもりだったがOSX時代にはさすがに非力で、第一線からは退くことになる。
*なんと先頃Jaguar化を果たした。112MBのメモリでは一度に幾つものアプリケーションを立ち上げておくわけにはいかないが、テキスト編集程度なら意外とサクサク動くので驚いている。体感的にはiBook(DualUSB)640MB+10.0.xよりはずっと速いのではないか。
〔1999年〕
仕事用のデータベースCD-ROMがどれもこれもWindows版しかリリースされないため、就職を機に、研究室にFUJITSU FMV6500TXZを入れてもらう。はじめのうちはWindowsとはどういうものなのか、実地に触り経験していくことを面白がっていたが、そのシステムを知るにつけ、馴染めないものを感じていくことになる。とはいえ、それまでパソコン通信しか知らなかったところを、ダイヤル・アップに比べれば高速な大学のネットワーク環境とともに、インターネットの世界に導いてくれたマシンではある。
〔2000年〕
pTeXの存在を知り、論文執筆に活用していくことになる。だがこの頃はまさかこうも深入りすることになるとは思いもよらなかった。また、Unix系OSなるものを知ろうとFMVにLinuxをインストールしてみるも、勝手の違いに挫折する。BASICとGUIしか知らずDOSをはじめとするコマンド・ライン環境に触ったことがないというのは、我ながらいびつなものだと感じるところだ。
〔2001年〕
OS Xに触ってみたくなり、iBook DualUSB(DVD-ROM)を購入。RAMを上限の640MBにまで増設したにも拘わらず、あまりに低速な10.0.xの処理能力に唖然としつつも、以前とは別次元に属するような画面表示の美しさに取り憑かれ、気がつけばOS 9には戻れなくなっていた。コード執筆には不向きとされるアンチエイリアス・フォントも、長文の日本語テキストを執筆するうえではこの上なく快適な環境を与えてくれる。
〔2002年〕
10.1で高速とはいえぬものの実用に耐え得る速度となったのを機に、pTeX環境を整えようとするも、頼りのネット上にもまだ情報は乏しく挫折しかける。そんな折り、2月に入り公開された内山氏によるコンパイルのHowto情報や、それを受けた桐木氏によるパッケージの恩恵を被りつつ、OS X上でpTeXを活用するには、どうやらある程度はUnix系OSについての知識が必要であることを理解するに到る。さらに縦組などという需要の低い環境を整備するには他人様に頼れないと考え、自己の失敗談やそこで得られた経験を記録し公開していくことを思いつく。そうこうするうちに以前はまるで飲み込めず挫折した、Unix系OSのコマンド・ラインでの操作も何とかできるようになるのだから、「必要」とは偉大なものである。とはいえさすがに、Cなどのソース・コードを読めるようになるのはまだまだ先のことであろう。
〔2003年〕
発売と同時にPowerBook G4 12inch(867Mhz)を購入し、それなりに長く使うつもりであったが、日頃の酷使がたたり(?)2004年11月に大破。また、研究室にはPowerMac G4 Dual 1.4Ghzが入ったものの、納入日はPowerMac G5の発表日であった…。そのうえ原因不明の不調により交換となるも、やはり不調は続いている。
〔2004年〕
大破したPowerBook G4の代替としてiBook G4 12inch(1.2Ghz)を購入。“つなぎ”のつもりではあるものの、アルミニウムとくらべてはるかに堅牢なボディには安心感もあり、安価なiBookを短期間で乗り換えていくほうがよいようにも思えてくる。
〔2006年〕
開発・検証用として自宅にiMac(Intel)を発表とともに導入。これでしばらく新規導入はしないつもりだったが、酷使がたたったか秋口にiBook G4に急速にへたれがめだってきたこともあり、代替としてMacBook(Core2Duo、黒)も購入。処理速度・薄さなどに一応IntelへのCPU変更を正当化するに足るものは感じさせるものの、ワイドディスプレイという奴にはなかなか慣れないし、噂されるフラッシュメモリ版サブノートも気になっている。
〔2010年〕
研究室の機材をiMac 21.5inch(3.33Ghz Core2Duo, 8GB memory)に更新。6年ぶり、PowerMac G4からの更新のため、そのパワーには隔世の感がある。が、今回も、納品から程なくしてCore iシリーズ版が登場するという、間の悪さを経験した。とはいえ、HDDを2TBに交換した自宅のiMacと相互に「どこでもMyMac」でのリモート操作をストレスなくできるなど、(携帯電話嫌いとしては不本意なところもあるものの、諸般の事情から入手した)iPhone 4ともども、それなりに便利にかつ面白がって運用している。また、発表とともにMacBook Air 11.6inchを購入。黒MacBookの作りの荒さや巨大さ・重さに手を焼いたこともあり、待ちに待った「肩掛け鞄にスッポリ収まる小型軽量ノート」である。ただし、さほど経たずにSandy Bridgeモデルへのアップデートがあるものと踏んで、メモリを4GBにした以外は、CPU・SSDともエントリー・モデル仕様と割り切ってみた。マザーボードを極小にし、キーボード直下はバッテリーのみという構造は、歴代Appleノートのなかで最良の「キーボードの建て付けの良さ」を誇るのではないか。
〔2011年〕
案の定、Lionとともに発表されたAir新モデルに「今度は富豪仕様にして…」などと心の動く今日この頃。しかし現モデルに不満があるわけではなく、その前に、さすがに古びた自宅のiMacのほうを何とかしろよ、という心の声も響いている。結局、Airは新古の128GB SSDへの換装で延命させることにした。
〔2012年〕
自宅のデスクトップ機をMac mini Late 2012に更新。ディスプレイは用意せず、もっぱら画面共有でiPhone母艦として運用。
〔2014年〕
研究室の機材をiMac Retinaに更新。
〔2015年〕
さすがに古びたMacBook Airを、MacBook 12inch(Gold)に更新。また自宅の引っ越しにともない、iiyamaの4Kディスプレイを用意。Mac mini Late 2012をメモリ増量・Fusion Drive化し、中古の21inchディスプレイも用意した。
〔2018年〕
自宅のMac mini Late 2012を、さらに2TB HDD x2に換装してMusic & File Server化。4KディスプレイをMacBook 12inch(Gold)に常時接続(USB-C to Display port/60HZ)し、音楽再生はMac mini上のmpdをMacBookのクライアント(Cantata)から操作することにした(ジャンルごとのライブラリに対応して複数のmpdセッションを起ち上げておくことで、ライブラリを切り替えられるようにしてある。)。Dual Displayの運用には少し悩んだが、上・下配置にして上側の4Kを作業用(複数の仮想デスクトップを横スワイプで切替)、下側の内蔵ディスプレイをCantataに割り振り、Dockは上側右に配置した。スリープからの復帰時などに外部ディスプレイを見失うことがあるのが玉に瑕。こんな面倒をするならiMac Retinaを…というところだが、そこまでの設備投資にはまだ早いのと、MacBookのキーボードが快適なので、暫くはそれを替えたくない。また、最近のMacでは光音声出力が無くなってしまったので、音楽再生用にはMac miniももう少し引っ張りたいところだ。
余談だが音楽再生環境は、自作DAC(光入力・PCM5102)兼プリ&ヘッドフォンアンプ(いわゆる、ぺるけ式/ヘッドフォンはバランス出力。主にHD 650を使用)→自作パワーアンプ(FET差動初段・Tr差動次段・Tr出力段の自力設計)→自作スピーカー(ユニットは100WB03Bのダブルバスレフ型)x 3のマトリクス接続。自作は手間はかかるが、部屋の環境にあわせたカスタマイズ(大概の既成アンプはパワー過剰だし値段の割りに回路は安物/スピーカーの形状・大きさを設置場所にあわせて決められる)ができること。単体でみれば、かなり安く高級オーディオ・クラスのものが手に入ることがメリットだ。尤も、この環境に落ち着くまで、どれだけ試作・破棄を繰り返したかを考えると、トータルな費用の面では…。設計・工作自体を、苦悩・失敗込みで楽しめないのであれば、勧められるものではない。
なお10月に設備を一新。これまでAC/DCアダプタで誤魔化していた電源をトランス化。現行Macでは光出力が廃止されたのを踏まえてDACはUSB入力に変更のうえ電子VR付仕様に。ヘッドフォンアンプは以前作成したバランス・パワーアンプ基板を改装。パワーアンプはこちらをアレンジしたものにした。
〔2019年〕
研究室の機材をiMac Retina 2019(27inch)に更新(自宅機材の老朽化が目立ちはじめている。)。これにあわせて研究室にもまともなヘッドフォンアンプを用意し、自宅用音響機器にも若干手を加えた。
自宅機材も暫くして、ヘッドフォンアンプ/プリアンプをUSB DAC内蔵からRaspberry Pi 0W 内蔵に改装。256GBのmicro SDXCカードにmpdサーバと音源を詰め込んだ。アンプ基板もオフセット調整アンプを備えた、よりきちんとしたものに交換。パワーアンプの基板も組み直した。スピーカーは切替器を導入して従来のダブルバスレフに加えて、モニタ直上の壁掛けアンサンブル型(ユニットはPeerless PLS-P830985、webで見つけたマルチフレアという変わった方式)、モニタ両脇の壁掛けバックロードホーン(ユニットはSPK Audio F02P-4という今では入手難のもの)を併用。常用になっているのは最小のバックロードホーン。なるべくコンパクトにまとめる(W120mm x H200mm x D300mm)ため音道は1,500mm程度しか取れなかったにもかかわらず、50Hzを下回るくらいまで余裕で低音を出してくれている。
〔2020年〕
COVID-19状況下で余儀なくされた「遠隔授業」の準備にも、アプリのBuildなどにもMacBookの非力さが厳しくなってきたため、自宅にiMac Retina 2020(27inch)を導入。本当はもう少し待って研究室の機材より新しいものにしたかったのだが。5月中旬に発注したが、壁掛け用にVESA対応にするなどのCTOが必要だったこともあり、到着は6月中旬だった。そして案の定、その後にスペックアップしたIntel版最終モデルが登場した。しかしそれではもはやFusion Driveは選べず内蔵ストレージ容量に不満が生じるから、これでよしとしている。なおこれに先んじてオーディオ回りは、一回り小さいケースに音源・DAC・アンプを一体化して取り回しのよいものに更新した。さらに2021年初頭、音源のRaspberry Piをケースに内蔵するとノイズを完全には抑え込めないのを解決するため、構成を変更した。亀の子接続したDAC・Raspberry Pi 0Wをそれぞれケースで可能な限りシールドして外付化しつつ音源ファイルは容量・ファイル数の制約を取り払うべくNASから読み込むように変更。アンプ部はRaspberry Piの電源供給から解放されてより小型のトランスで済ませられるようになったため、もう一回り小さいケース(タカチ YM-200)に移植した。DAC/Raspberry Piの電源があまりクリーンでないこととオールインワインからの後退というデメリットと、フットプリントの縮小と微小ノイズ解消という精神衛生向上のメリットとを秤にかけると、いまのところは後者の方が勝っている。
調査・研究会旅費の費目で確保されていた科研共同研究の予算10万円を、COVID-19状況下で他費目での処理が容易に許されるようにはなったものの、適当な費目を設定できずに苦慮していた。そうしていたところ年末にM1 Macが発表されたので、MacBook Airを発注・入手することで予算を消化する次第となった(僅かに足が出る分は自費で補える制度になっている)。その際、今後12インチ版がでた場合には自腹にて確保するつもりのため、USキーボードにした以外あえてカスタマイズせず最安価のモデルを選んだ。だがメモリの使い方が違うという話は本当で、8GBでも痛痒を感じない。たとえばUpTeX.appのBuild時間も、メモリを自棄っぱちで72GBまで奢っているiMac Retina 2020(27inch)と大して変わらない程だ。この状況下ではモバイルの必要もほぼなく、持ち腐れ感はあるものの、肩掛け鞄にもギリギリ収まるサイズであり、もう12インチは要らないかもという気になってきている。





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