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第62回 経済数学の基礎(マクロ経済学編) 等比数列[top]

                         2003年7月08日更新
                         2003年6月27日発行
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国経館 経済数学の基礎 マクロ経済学編 等比数列       No.111
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みなさん,こんにちは.笹山です.
このメールマガジンは国際経済学科のメールマガジン「国経館」の1つとして,
国際経済学科のすべての学生に配信されています.

今回は,経済学で使われる基礎的な数学を話題にします.

マクロ経済学のメールマガジンとしてはNo.62です.
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【第111号】 等比数列

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私は毎年マクロ経済学のクラスで,国際経済学科の1年生約120人に,高校
生のとき「数列」を学んだかどうかを尋ねることにしています.数年前には約
半分の学生が手を挙げたのですが,最近はその数が極端に減ってきています.
2003年度で手を挙げた学生はわずかに数名でした.

高校での進学指導が徹底化されて,高校生は早い段階から”文系”と”理系”
に分けられてしまいます.経済学部を希望する学生は”文系”に区分けされま
す.特に”私大文系”のクラスの高校生は,最小限の数学にしか接しません.

数列の中でも特に「等比数列」はマクロ経済学ではよく登場します.必須概念
といってもいいでしょう.マクロ経済学の講義の中では登場するたびに説明し
てきましたが,ここでは「等比数列」を縦糸にして,マクロ経済学に登場する
等比数列を使って理解する概念を整理しておきましょう.

まずは,高校の数学の復習から始めましょう.「等比数列」は高校の数学では
高校一年で学ぶことになっている「数学A」の教科書に登場します.

数学は見るのも,聞くのもいやだという方もいるかとは思いますが,少しだけ
つきあってください.

なお,*記号が付いている項目は,初めて学ぶ場合は飛ばしてかまいません.

■等比数列,高校数学の復習
次のような数の並びを「等比数列」といいます.

例  2,4,8,16,32,64,128,256,...

最初の項が2で,2番目の項は,最初の項に2をかけています.3番目の項は
2番目の項に2をかけています.このように前の項に一定の数を順々にかけて
いることがわかります.
このとき,最初の項を「初項」,毎回かけている一定の数を「公比」といいま
す.上の例では,初項は2,公比は2です.

数値例はたくさん作ることができますが,記号を使って一般的に書くことをや
ってみましょう.みなさんは,「一般化」が苦手です.ここから集中力を切ら
さないようにしましょう.

数列の初項をa,公比を r とすると,等比数列は次のようになります.

   a, ar, ar*r, ar*r*r, ar*r*r*r, ....

ここで,r*r = r^2(2乗), r*r*r = r^3(3乗),というように書きます.
^は通称”ハット”と読みます.メールでは小さな上付き文字が使えないので,
このようにハット記号を使います.また,ハット(^)はコンピュータでは「
〜乗」の記号として必ず使うので,この機会にぜひ覚えてください.

すると,上の数列は,次のようになります.

  a, ar, ar^2, ar^3, ar^4, ....., ar^n-1, ar^n        (1)

(1)の数列では,1番目(a)からn+1番目(ar^n)まで並べてありま
す.

(1)で,nの値が無限に続く場合を無限等比級数といいます.次のようにな
ります.

  a, ar, ar^2, ar^3, ar^4, ....., ar^n-1, ar^n, ....      (2)

n-> ∞(無限大を表す記号)となり,限りなく続きます.

■無限等比級数の和

次に,(2)で表される無限等比級数の和(合計)を計算するにはどうしたら
よいかを考えます.無限等比級数の和をAで表すことにします.

A=a + ar + ar^2 + ar^3 + ar^4 +...+ ar^n-1 + ar^n + ...   (3)

(3)式の左辺と右辺に r をかけます.

rA=ar + ar^2 + ar^3 + ar^4 +....+ ar^n + ar^n+1 + ......    (4)

(3)の両辺から(4)の両辺を差し引きます.すると,次のように簡単にな
ってしまうのです.

   A - rA = a                       (5)

なぜ,(5)になるか,わかりますか.(3)と(4)の右辺は無限大に続く
ので,(3)と(4)の違いは,(3)の方が最初の項aが多いだけなのです.
後の項はすべて同じで差し引かれて消えてしまいます.

(5)より,
      a
  A = ---------                      (6)
     1 - r

言葉でかけば,
               初項
 無限等比級数の和 = ---------------     (公式1)重要!!
             1 − 公比

上が「無限等比級数の和の公式」です.公比1は除かれます.

(注1)無限等比級数にはある一定の値に収束する場合と収束しない場合があり
ますが,われわれは収束するケースを対象にします.

*■有限の等比数列の和
上では,無限に続く場合の和を考えましたが,有限の場合の和についても計算
してみましょう.なお,数学が苦手な方は,この項は,スキップしてもかまい
ません.

考え方は,無限の場合と同じです.ただ,少し式が複雑になります.
等比数列のn項までの和を考えます.(3)式は次の(7)になります.

A=a + ar + ar^2 + ar^3 + ar^4 +...+ ar^n-1         (7)

無限等比級数の場合と同じように,(7)式の両辺に r をかけます.

rA=ar + ar^2 + ar^3 + ar^4 +...+ ar^n-1 + ar^n        (8)

(7)から(8)をひくと,

A - rA = a - ar^n

従って,

     a(1 - r^n)
  A = ----------------                   (9)
       1 - r

n項までの有限等比数列の和は,言葉で書くと

            初項(1−公比^n)
有限等比数列の和 = ----------------------      (公式2)
             1 − 公比

■経済学ではどのように使われるか

等比数列は経済学では頻繁に使われます.特に金融分野では必修科目といって
いいでしょう.数学を勉強しても世の中では何の役にも立たないとよく言われ
ますが,どっこい,お金の計算では誰でもお世話になっているのです.例えば
銀行などに預金したとき,10年後に定期預金がいくらになって戻ってくるか
とか,あるいは銀行から融資を受けて(借金して)家や車のローンを組んだと
き,毎月何万円を支払えばいいのかなどを計算するときはすべて「等比数列」
が使われるのです.

まずは小手調べに複利計算の復習をしましょう.

(例題1)複利計算----------------------------------------------
10万円を銀行に預金したとします.年の金利が複利で5%だとしましょう.
このとき10年後の元利合計(元本と利息の合計)はいくらになるでしょうか?
--------------------------------------------------------------

複利計算は,1年ごとに利子を元金に繰り入れて,その合計を次の年の元金と
して利子を計算する方法です.金融機関ではほとんどの場合複利で計算します.

(例題1)の場合は,1年後からn年後までのそれぞれの元利合計は次のよう
になります.
初期値    1年後    2年後       n年後
 10,    10(1+ 0.05), 10(1+0.05)^2,...., 10(1+0.05)^n

上の並びをみてわかるとおり,等比数列の形になっています.
結局10年後の元利合計= 10(1+0.05)^10 = 16.2889(万円)

複利計算の場合,元利合計は指数関数的に増加していきます.

(補足)
単利計算では,毎年の利子は元本に繰り入れません.単利計算での元利合計は
次のようになります.

 単利の元利合計  =元金 + 利息
すなわち,
 単利の元利合計 = 元金*(1+金利*年数)

例題1が単利の場合は,次のように計算します.
 元利合計 = 10( 1 + 0.05*10 ) = 15万円

(例題2)乗数分析----------------------------------------------
次のような家計と企業部門からなる単純なマクロ経済モデルを前提とします.
財市場の均衡式 Y=C + I      (1)
消費関数    C=50+0.8Y    (2)
投 資     I=40         (3)

ここで,投資が新たに10増加したとき,最終的にGDP(Y)はどれだけ増
えるでしょうか.
--------------------------------------------------------------

投資が10増えれば(最初の増分を「自立的需要増加」と呼びます),(1)
よりYは10増えます.しかし,これだけでは終わりません.Yが増えること
により(2)から消費が増えます.どれだけ増えるかといえば,増えたYに0.
8(これを限界消費性向といいます)をかけた分だけ消費は増えます.消費の
増加は(1)に反映されてさらにYも増えます.後から増える消費の増分を「
派生需要の増加」と呼びます.

派生需要の増加プロセスは,1回だけで終わるのではなく,次々と繰り返され
ます.最終的なYの増加=自立的需要増加+派生需要の増加,となります.

Yの増分=10 + 10*0.8 + 10*0.8^2 + 10*0.8^3 +... + 10*0.8^n + ....

右辺の数の並び方は,初項10,公比0.8の無限等比級数となっています.
上で導いた(公式1)を使うと,

          初項          10
Yの増分 = --------------- = ---------------- = 50
        1 − 公比      1 − 0.8

最終的にGDPは50増えます.この場合,乗数は5といいます.
この例では,乗数の大きさは限界消費性向の大きさに依存していることがわか
ります.限界消費性向が大きければ大きいほど,派生需要の増加が大きくなる
からです.

乗数分析については,私のマクロ経済学講義ノートも参照してください.
マクロ経済学講義ノート 第8講 乗数分析:
http://www.kumagaku.ac.jp/teacher/~sasayama/macroecon/lecture08.html

(例題3)永久利付債券-------------------------------------------
毎年一定の利子(クーポンといいます)を永久に払い続ける債券があります.
このような債券をコンソル債券といいます.この債券の市場価格を表す式を記
号を用いて作りなさい.
さらに債券の額面価格が100万円,利子率が5%で,割引率が3%のとき,
この債券の市場価格を計算しなさい.
--------------------------------------------------------------

Aを債券の額面価格,αを表面金利,rを割引率,とします.

この債券の市場価値は,将来にわたって受け取る利子(毎年一定)の割引現在
価値の合計であると考えられます.割引現在価値の基本的な考え方は,将来で
発生する値を現在時点で評価したらいくらになるかと計算します.永久利付債
券の場合は元本は償還されません.(注2)

この問題では次のような式をたてることができます.

   αA    αA     αA      αA   
 --------- + --------- + --------- +...+ ----------- + ・・・
   1 + r   (1 + r)^2   (1 + r)^3    (1 + r)^n 

αAは毎年受け取る利子収入です.上の関係が無限に続きます.この形をよく
みると,初項がαA/(1+r),公比が1/(1+r)の無限等比級数であ
ることがわかります.
無限等比級数の和の公式を使えば,上の式は,

      αA
    ------------
      1 + r        αA
 = ---------------- = --------
        1         r
   1 -  ---------
       1 + r

               毎年受け取る利子
永久利付債券の市場価格= ---------------------
                 割引率

となります.

債券の利子率が5%,割引率が3%のときは,次のようになります.

              100×0.05
永久利付債券の市場価格= --------------------- = 166.7
                 0.03

答えは,166.7万円となります.

(注2)この問題を解く場合は,事前に割引現在価値について学んでいること
が必要です.割引現在価値法は,経済学では必須の概念です.
割引現在価値については,次の私のマクロ経済学講義ノート,およびメールマ
ガジンを参照してください.

メールマガジン(経済用語解説) 朝三暮四:
http://www.kumagaku.ac.jp/teacher/~sasayama/macroecon/mailmaga5.html
マクロ経済学講義ノート 第10講 投資関数:
http://www.kumagaku.ac.jp/teacher/~sasayama/macroecon/lecture10.html
マクロ経済学講義ノート 第11講 貨幣需要:
http://www.kumagaku.ac.jp/teacher/~sasayama/macroecon/lecture11.html

*(例題4)利付債券の市場価格------------------------------------
額面価格10万円,利率2%,償還期間5年の国債があります.この国債の市
場価格を計算する式を作りなさい.現在価値を計算するときの期待収益率(割
引率)を1%としなさい.
--------------------------------------------------------------

利付債券は毎年一定の利息を約束し,満期(償還期限)がきたら元本は購入者
に返却されます.利付債券の市場価値は,毎年受け取る利息(クーポンといい
ます)と償還時の償還価格(元本の値段)の現在価値を足し合わせた値になり
ます.
毎年受け取るクーポンは,10×0.02=0.2万円(=2000円),割
引率が1%(0.01)ですから,この債券の市場価格は次のように書けます.
            0.2     0.2          0.2
利付債券の市場価格= --------- + ----------- + ・・+ ------------ +
           1 + 0.01  (1+0.01)^2      (1+0.01)^5

               10
          + -------------- = 10.4853 万円
             (1+0.01)^5

クーポン5年分の割引現在価値については,初項 0.2/(1+0.01),公比1/(1+0.
01) の有限等比数列になっています.それに最後の償還時の元本の割引値を加
えます.5年分の等比数列の和については上で説明した(公式2)を適用しま
す.それに最後の償還時の値を足します.

紙と鉛筆で計算するにはちょっと面倒ですが,表計算ソフトを使うとあっとい
う間にできてしまいます.

*(例題5)投資収益の現在価値------------------------------------
毎年100万円の収益が5年間にわたって期待できる投資プロジェクトがあり
ます.割引率を年3%として割引現在価値法によってこの投資の価値を計算し
なさい.
--------------------------------------------------------------

1年後から5年後の5年間について毎年100万円の収益が期待できます.各
年についての割引現在価値を計算して,それらを合計すれば,この投資の価値
を求めることができます.

        100     100         100
投資の価値= ---------- + ----------- + ・・+ ------------ = 457.9707
       1 + 0.03   (1+0.03)^2     (1+0.03)^5

     100          1  
初項= ---------- ,公比= ----------- の等比数列になっています.
    1 + 0.03       1+0.03

5項までの和ですから上の(公式2)を使います.

紙と鉛筆で計算するにはちょっと面倒です.こういうときは表計算ソフトを使
うとあっという間にできてしまいます.

(例題6)投資の限界効率------------------------------------------
投資費用が30億円の投資プロジェクトがあります.このプロジェクトからは,
毎年2億円の収入が無限期間にわたって得られると予想されます.このとき投
資の限界効率を求めなさい.
--------------------------------------------------------------

投資費用と投資からあがる将来の予想収益の現在価値の合計を等しくさせる割
引率のことを「投資の限界効率」と呼びます.投資の限界効率をρ(ギリシャ
文字のロー)という記号を用いると,次のような関係があります.

      2      2          2
30 = --------- + ---------- + ・・+ ----------- + ・・・ 
    1 + ρ    (1 + ρ)^2     (1 + ρ)^n

左辺が投資費用,右辺が投資収益の現在価値の和です.投資の限界効率という
のは投資の費用と収益を均等にさせる割引率です.企業は銀行等から資金を借
りて投資するので,この投資の限界効率が借り入れる資金の利子率より高けれ
ば,その投資プロジェクトは採用される可能性が高くなります.

上式の右辺は,初項2/(1+ρ),公比 1/(1+ρ) の無限等比級数になっています.
(公式1)が使えます.

        2
     ------------
       1 + ρ 
30 = -----------------
         1   
     1 - ----------
        1 + ρ

     2
30 = ----------
     ρ

ρ = 2/30 = 0.06666

投資の限界効率は0.06666,あるいは 6.66% となります.

投資の限界効率については私の講義ノートも参照してください.
マクロ経済学講義ノート 第10講 投資関数:
http://www.kumagaku.ac.jp/teacher/~sasayama/macroecon/lecture10.html

*(例題7)ローンの計算-----------------------------------------
自動車を購入するために,年複利2%の5年(5回均等払い)で支払う200
万円のローンを銀行で組みました.毎年の返済額はいくらになるでしょうか.
--------------------------------------------------------------

まずローンの計算方法を紹介しておきましょう.次のような関係が成立するよ
うに毎回のローン返済額は決められています.

ローンの借入金額 = 毎年の返済額の現在価値の和

(例題)の場合は次のようになります.毎年の返済額をx とおきます.

       x       x           x
200 = ---------- + ------------ + ・・+ --------------
    1 + 0.02    (1 + 0.02)^2     (1 + 0.02)^5

右辺は,初項 x/(1+0.02) ,公比 1/(1+0.02) の有限等比数列の和になってい
ます.上の(公式2)が使えます.(公式2)を適用すると,

        x          1
     ------------ (1 - ( ---------- )^5 )
      1 + 0.02       1 + 0.02
200 = ------------------------------------
               1   
          1 - ----------
             1 + 0.02

     x         1
200 = ------(1 - ( ---------- )^5 )
     0.02      1 + 0.02

これから,x を求めます. x = 42.4316万円

毎年42万4316円支払います.5年間トータルの返済額は212万158
3円となります.

5乗の計算をするのが,紙と鉛筆で計算するにはちょっと面倒です.こういう
ときは表計算ソフトを使うとあっという間にできてしまいます.

(注3)ローンの支払いは毎月返済するのが通常ですが,計算を簡単にするた
めに年1回の返済で5回均等払いにしました.毎月返済の場合は,年利を12
で割って月利に直した金利を使います.

(例題8)銀行の信用創造-----------------------------------------
A銀行に最初に100万円が預金されたとします.銀行の準備率を10%とし
ます.このとき,銀行組織全体として生み出される預金の総額はいくらになる
でしょうか.
--------------------------------------------------------------

銀行は預金の一定割合を支払いのために準備として保管し,残りの預金を貸出
に回します.上の例では100万円の10%の10万円を除いた90万円を貸
し出しに向けることができます.貸出を受けた企業は,例えばB銀行にその資
金をとりあえず預金したとします.するとB銀行は預金額の90%を別の貸出
に振り向けることができます.その融資を受けた他の企業が今度はC銀行に預
金したとすると,C銀行はその90%を貸出に向けることができます.

以上のようなプロセスが次々に続いていくとみなすことができます.最初に預
金された100万円を元として,銀行が貸出を実行することで銀行組織全体と
してその乗数倍の預金が生み出されていくことになります.このメカニズムを
銀行による「信用創造」と呼びます.財市場の「乗数効果」に相当する概念で
す.

信用創造によって生み出される預金総額は,次のような式で表されます.

預金総額=100 + 100(1-0.1) + 100(1-0.1)^2 + ... + 100(1-0.1)^n + ....

右辺は,初項 100,公比 1- 0.1 の無限等比級数とみなせます.無限等比級数
の和の公式を適用できます.

預金総額 = 100/ ( 1 - (1 - 0.1)) = 100/0.1 = 1000

最初の100万円は銀行組織の信用創造プロセスを通して1000万円に増加
します.銀行組織全体としては,900万円(1000−100)を貸出に向
けることができたことになります.

銀行の信用創造については私の講義ノートも参照してください.
マクロ経済学講義ノート 第12講 貨幣の供給:
http://www.kumagaku.ac.jp/teacher/~sasayama/macroecon/lecture12.html
--------------------------------------------------------------------

等比数列あるいは無限等比級数をマスターすれば,入門マクロ経済学は征服し
たと言っても過言ではありません.

みなさん,しっかりやってください.

【エクセル付録】
(例題1),(例題4),(例題5),(例題7)について表計算ソフト,エ
クセルを利用した解法の付録を付けました.以下をクリックするとエクセルフ
ァイルをダウンロードすることができます.
 suretu.xls

■用語の英語
英語での表現を整理しておきます.

等比数列:geometric progression
公比:common ratio
等差数列:arithmetic progression
公差:common difference
収束:convergence
発散:divergence
極限値:limit
項:term
有限数列:finite sequence
無限数列:infinite sequence
一般項:general term
添字:suffix

【関連資料】
2003.07.04(金)に,金融広報中央委員会は「金融に関する消費者アンケート調
査」(第2回)を公表しましたが,金利計算についての理解度が低いことが明ら
かになりました.どのような問題が含まれているかについて興味ある方は以下の
資料を読んでください.
http://www.saveinfo.or.jp/consumer/research/2003/03enquet.html
http://www.saveinfo.or.jp/consumer/research/2003/03enqut1.pdf (結果の要約,8pages)
http://www.saveinfo.or.jp/consumer/research/2003/03enqut2.pdf (アンケート全部,16pages)

【参考図書】
宇沢弘文『好きになる数学入門1』岩波書店 1998年
経済学の大家による数学入門シリーズ(全6巻)の1冊です.
数列は第9章です.

【高校数学サイト】
高校数学を復習できるサイトを紹介します.大学入試問題とその解説も載って
います.

数学ナビゲーター:
http://www.crossroad.jp/mathnavi/
数学ナビゲーター 数学A:
http://www.crossroad.jp/mathnavi/math-a/math-a-index.html
等比数列は「数学A」のコーナーにあります.

■まとめ------------
・等比級数は経済学では頻繁に登場する.例えば次のような分野.
・金利の複利計算
・乗数分析
・債券の市場価格
・投資収益の計算
・投資の限界効率の計算
・ローンの計算
・銀行の信用創造
・無限等比級数の和の公式は,初項/(1−公比)
-------------------------------------

ぜひ,みなさんも,実際に上の(例題)を紙と鉛筆で解いてください.

【上級者向け課題】
(例題4)の計算を,表計算ソフト(例えばエクセル)を使って解いてみまし
ょう.

(注意)後日サイトにアクセスした場合,サイトの構成に違いがでてきたり,
URLが変更になっている場合がありますので,了解してください.
(アクセス日)2003年6月27日

------------------------------------------------------------
【Q & A】無限等比級数の和の公式は?

                 初項
  → 無限等比級数の和 = -----------
               1 − 公比

【今回のサイト】 数学ナビゲーター:
         http://www.crossroad.jp/mathnavi/

【評価】★★

私の評価の基準:最高が★★★,次が★★,最後が★です.
        ★1つは普通という評価です.
      データが十分提供されているかどうかが評価のポイントです.
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【発行】 熊本学園大学 経済学部 国際経済学科
【著者】 笹山 茂
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Copyright 2003

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