【1】次の表は国内総生産関連の定義を整理したものです.( )に入る用語を必ず記号を使って答えなさい.
( あ )=雇用者所得 +営業余剰 + 固定資本減耗 + 間接税 - 補助金
( い )=民間最終消費支出 + 国内総固定資本形成 +在庫品増加
+政府最終消費支出 + 財・サービスの輸出 - 財・サービスの輸入
( あ )=( い )
( う )=( い ) + 海外からの要素所得 - 海外への要素所得
( え )=( う ) - 固定資本減耗
( お )=( え ) - 間接税 + 補助金
(答)
あ=GDP,い=GDE,う=GNP,え=NNP,お=NI
【2】次のような経済モデルを考えます.
財市場の均衡式 Y=C+I+ G
消費関数 C=0.8Yd + 60
投資関数 I = 40
政府支出 G = 8
可処分所得 Yd = Y - T
税収 T = 10
ここでYは所得,Cは消費,Iは投資,Gは政府支出,Tは税収,Ydは可処分所得です.
このとき,以下の問に答えなさい.
(1)政府が財政支出を1兆円増加させると,最終的に所得はどれだけ増加するでしょう(単位兆円).
(2)(1)で所得が増加するメカニズムを説明しなさい.また,これを何効果と呼ぶか.
(答)
Y = 0.8( Y - 10) + 60 + 40 + 8
0.2 Y = 100
政府が支出を1兆円増加させると,上式右辺の100が101に増加.
増加分は,1/0.2 = 5兆円
【3】以下の文章は,政府が財政政策を実施した場合の効果をIS-LM図を用いて説明しています.( )を埋めなさい.
財市場で政府支出が増加すると,需要の増加により,( ア )効果を通して所得が増加します.これは( イ )曲線の( ウ )シフトに反映されます.他方貨幣市場では,所得の増加により貨幣需要の( エ )が発生します.貨幣市場での超過需要は( オ )を上昇させます.上の過程で貨幣市場で発生した( オ )の上昇が,財市場では( カ )需要を抑制させ,最初に発生した所得の増加を一部相殺します.政府支出増加が( オ )を上昇させ,民間( カ )を減退させてしまう現象を( キ )効果と呼びます.
【4】貨幣需要の利子弾力性がゼロのケースについて以下の問に答えなさい.
1.貨幣需要の利子弾力性の定義を説明しなさい.
2.I S - LM曲線を使って説明しなさい.
3.総需要総供給曲線を使って説明しなさい.
4.財政政策と金融政策の有効性について議論しなさい.
【5】以下の文章は代表的なマネーサプライ(貨幣供給量)の定義と貨幣需要の動機を説明したものです.( )の中に適当な語句を入れなさい.
( 1 )に全国銀行,信用金庫,農林中金,商工中金等の要求払預金(当座預金,普通預金など)を足したものをM1と呼ぶ.このM1に,全国銀行,信用金庫,農林中金,商工中金等の( 2 )を足したものをM2と呼ぶ.さらにこのM2に( 3 )であるCDを足したものをM2
+ CD と呼び,これが,今日では日本での代表的なマネーサプライの定義として用いられている.
他方,利子の付かない貨幣をなぜ保有するのかという貨幣需要の動機としては3つの動機が考えられる.1つは取引動機,2つ目は予備的動機,3つ目は( 4 )である.
【6】財政政策実施する場合,その財源をどのように調達するかによって政策の効果に違いがでてきます.以下の問に答えなさい.
1.増税でまかなった場合の効果をI S - LM曲線で分析しなさい.
2.国債の市中消化によってまかなった場合の効果をI S - LM曲線で分析しなさい.
3.両者の比較をしなさい.効果に違いが出る場合はその経済的理由も説明しなさい.
【7】貨幣供給量を増加させることにより金融緩和政策を実施した場合の効果について,以下の問に答えなさい.
1.貨幣供給量の増加は I S - LM曲線ではどのように描かれるか.図示しなさい.
2.貨幣供給量の増加は所得を増加させるか減少させるか.I S - LM曲線を使って経済的理由をつけて説明しなさい.
3.貨幣供給量の増加は利子率を上昇させるか低下させるか.I S - LM曲線を使って経済的理由をつけて説明しなさい.