為替予約(社内レート)

輸出企業は,将来の輸出代金(ドル表示)の円手取額を確定するために先物ドルを売る契約をする(輸出予約).近い将来,事前に想定した為替相場(社内レート)より円高(ドル安)が見込まれる場合は,早めに輸出予約を行い,為替リスクを抑える.

・企業の想定社内レート
会社が予算作成時に使う想定為替レート.
近い将来円高になりそうだ,もうすでに円高傾向になりつつあるという状況では,企業は社内レートの見直しを行う.これまで1ドル110円を想定して経営してきた会社は,例えば1ドル105円を想定して企業経営を進めていく.
105円の想定レートのときは直物が107円から108円になったら先物ドルの売りが殺到することが予想される.現在の日米の金利差から先物ドルのディスカウントだから,直物が107円ぐらいのとき先物が105円,この水準でドルを売る契約をしておけば社内予算の105円で(輸出代金の)ドルを円に確定できる.

主要企業の下期想定為替レート:2003年10月末現在
三洋電機   115(120)
松下電器   115(115)
花 王    113(120)
日 立    110(120)
日 産    110(120)
信越化学   110(115)
ソニー    110(115)
ホンダ    110(115)
京セラ    109(115)
リコー    108(116)
テルモ    105(120)
(注)1ドル=円、カッコ内は当初の想定レート
(日経新聞,2003年10月30日)


熊本学園大学公開講座 2003年11月12日(水)


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