マクロ経済学の基礎理論を講義します.経済学の基礎理論はミクロ経済学とマクロ経済学からなっています.マクロ経済学では,一国経済全体として集計された消費,投資という概念を扱います.それらから構成される国民所得が主な分析の対象になります.国内総生産,利子率,物価水準などの大きさはどのようにして決まるか,経常収支と国民所得の関係はどのようになっているのか,というような問題を扱います.これらの問題は毎日のニュースや新聞に頻繁に登場するテーマでもあります.日本経済新聞の経済記事を毎日読むように心掛けてください.定期的に新聞発表される国民所得統計速報などは,必ず目を通しておいてください.マクロ経済理論と同時にできるだけ日本経済のマクロデータに親しんでもらうように心掛ける予定です.皆さんも経済データ集を少なくとも一冊は手元においてほしいものです.講義の時間に練習問題用のプリントを配布し,実際に解いてもらうこともあります.自ら練習問題を解くことによってマクロ経済学の考え方を体験してください.なお,講義ではパソコンを利用した経済分析の方法をできるだけ多く紹介する予定です.
インターネットのホームページにマクロ経済学のコーナーを設けますので,どんどん利用してください.
ホームページのアドレスは:
http://www.kumagaku.ac.jp/teacher/~sasayama/
成績評定の方法
10数回回実施する予定の小テストやレポートの提出と前期末試験の結果を総合して最終的な評価を行ないます.
関連する科目
ミクロ経済学I,マクロ経済学II,ミクロ経済学II,統計学,金融論,財政学,計量経済学
テキスト
田中・笹山・坂上『マクロ経済分析』中央経済社 1995年
2008年度の予定[top]
課題提出[top]
笹山のホームページから「メールマガジン(経済用語解説)」を選びます.この中から1つを選び,その感想を笹山まで電子メールで送信してください.情報処理入門を履修していない学生は,レポート用紙で研究棟受付まで提出してください.
正しい書式で送られてきた課題については受信確認の返信メールを私からだします.私からの返信メールを受け取った方は課題が受領されたことになります.
課題締切:
メールの宛先: sasayama@kumagaku.ac.jp
メールの長さ: 1行30文字で10行以上
メールの件名: マクロ課題 あなたの名前
(例) マクロ課題 熊本花子
その他条件: メール本文には,自分の所属と名前が書いてあること.
さらに,メールのマナーに則ること.
締切:
注意!
(1)添付ファイルは送らないこと.
(2)他人のアカウントを使って送信した場合はどちらも0点とします.
Q & A[top]
本学の学生で質問がある場合,個人所有のパソコンを使用している場合は以下のMail Toの後のメールアドレスをクリックしてメールを送ってください.
大学のパソコンを使用している場合は,以下のMail Toの後のメールアドレスをクリックしないでください.メール専用ソフトを起動してsasayama@kumagaku.ac.jpまで送信してください.
質問のうち,一般性があるものについては,このコーナーで紹介します.
Q1 マクロ経済学の学び方がわかりません.勉強法を教えてください.
A1 マクロ経済学を学ぶときの心構えをお話しましょう.まず,マクロ経済学は,みなさんが高校までで学んだ「政治経済」とは本質的に学び方が違うという認識をもつことが重要です.「政治経済」では様々なことを覚えるというのが基本的な学習法でした.「政治経済」は暗記科目だと揶揄されるゆえんでした.しかし,大学のマクロ経済学は分析的な学問です.現実の経済を分析するときに「モデル」を設定して,それに基づいて実際の経済を説明します.モデルを理解すること,モデルを解くこと,モデルを用いて経済政策の効果を評価することなどができるのが目標となります.
具体的な学習法としては,
1.講義をしっかり聴く
講義では,学ぶときのポイントや,何が重要であるかが指摘されるのです.独学より講義の方が効率がいい理由がここにあります.
2.テキストをよく読む
講義に関連したテキストを丁寧によむことです.テキストを読むことで講義の内容が確認できると共に補足することもできます.
3.テキストの練習問題を解く
テキストの章末には練習問題が載っています.解答もついていますが,最初は解答を見ないで,独力で解くことが大切です.
4.図は必ず自分で描く
経済学では図がたくさん登場します.しかも,それらは非常に重要な図なのです.図解により経済の問題を理解し,分析することができるのです.テキストやノートを見ないで図が描けるように訓練することです.
5.計算式の展開は必ず自分で行う
講義やテキストに登場する式は,必ず自分で展開できるようにします.紙と鉛筆で計算する労力を惜しんではなりません.
以上を実行できれば,マクロ経済学いや大学の経済学を攻略することができるのです.
Q2 GDPを計算するときに用いる「投資」になぜ民間の新築住宅の購入が含まれるのでしょうか?
A2 質問の趣旨は,おそらく民間の住宅購入が,なぜ消費でなく投資なのかということだと思います.ポイントは消費と投資の違いはどこにあるかということです.消費は原則的には購入した今期に財から得られる便益を使い切ってしまいます.それに対して投資は,購入した来期以降得られる便益を利用するために,今期購入します.投資は長期にわたって実物資産として残り,ストックとして使われます.住宅はまさにこの範疇に入ります.消費の中には,電機製品や家具などのように数年間使われるものもありますが,これは耐久消費財として扱われます.