9月21,22日に川崎市の労働会館で開催された「全国まちづくり会議2009 in 川﨑」に,溝上教授が工学部まちなか工房の代表として参加しました. まちなか工房からは両角工学部長(前まちなか工房代表)と冨士川客員教員,および3名の学生諸君が出席し,まちなか工房の活動や研究室で行っている 「中心市街地における低・未利用地の有効利活用支援策の政策評価 -日本型TIF制度導入のためのFS」について,パネルを展示して報告しました.
今年は,まちなか工房は,展示されているパネルの中から参加者の投票によって選考される「まちづくり大賞」を受賞しました.
全国まちづくり会議とは,NPO法人都市計画家協会が主催して各地のまちづくり活動を推進・支援する会議で,年に一度, 全国各地でまちづくり活動を行っている人々や団体が一堂に集まり,その地域のまちづくり情報を持ち寄り,直接に顔を合わせて交流をし, そこで得た次のまちづくりへの糧を全国各地へ持ち帰ろうというようななことを目指す大会です.
来年度は,10月9(土),10日(日)に熊本市で開催することになりました.皆さんも是非,参加してください.
大学院自然科学研究科のグラシウス計画教員海外大学訪問講義支援を受けて,溝上教授が国際交流協定締結の準備を進めているソウル市立大学で, Department of Transportation Engineering, School of Urban Sciences の3年生を対象にITS in Japanという集中講義を行いました. 同時に,政創研の円山準教授もTheory and Practice of Road Pricingの集中講義を行いました.
いずれも,学生諸君は目を輝かせて聞き入っていました.また,英語での講義にもかかわらず,大半の学生が内容を十分に理解していたようで, 活発な質問も出されました.また,後で提出してもらったレポートには,講義内容は非常に新鮮であり,満足したという意見が多く書かれていました.
9月3日~9月5日にソウル市立大学で開催されたBiennial International Transportation Research Conference で,溝上教授は, 円山準教授(政創研)や藤見助教(都市防災研究室)とともに,下記の研究発表を行いました.
■S. MIZOKAMI, and T. MARUYAMA, Line Characteristics Evaluation and Network Reorganization Planning Method of Urban Bus Systems.
■T. MARUYAMA, and S. MIZOKAMI, Urban Structure and Second-best Congestion Pricing.
■T. FUJIMI, F. YAMADA,, R. KAKIMOTO, and K. TANAKA, Supporting Tools for implementing the Community-Based Flood Risk Management.
ソウル市立大学の都市科学学部とは2008年の2月以来,交流を続けており,2009年2月にはソウル市立大学から4名の教授が熊本大学を訪問され, 先方の交通学科と自然科学研究科環境共生工学専攻との間で交流協定を締結しました.これを,本学自然科学研究科・ 工学部とソウル市立大学都市科学部との部局間交流協定にするための実績づくりとして,今回の会議に参加しました.
会議の後,来年はこのJoint Conferenceの熊本大学での開催を要請されました.また,カルガリー大学との交流協定締結に向けて今後も交流を深めることも約束できるなど,大変大きな成果を得ました.
2006年10月に博士課程を修了し,博士(工学)を取得したYalcin Alver君が2年ぶりに来日し,
9月1日には都市再生プロゼミで
Cycling in Urban Environment and a Good Example to Rental Bicycles: “Call a Bike”
というタイトルで講演を行いました.内容は下記です.
Cycling has become popular all over the world. There are many reasons that cycling is popular and many countries are promoting it. In some Asian countries the reason people use bicycles is economical. Bicycles are very cheap and do not need expensive and special infrastructure. However, in Japan even though the car ownership rate is very high, still people are cycling. The reasons can be traditional habits, loss of parking space, environmental issues.
Cycling is also very popular in Europe, Especially in north western Europe. Cycling facilities and infrastructure have been well promoted in Europe. Nowadays bicycles have a very important share among all other transportation modes. Netherlands, Denmark and Germany are the pioneer countries in Europe for cycling infrastructure.
Today rental bicycles are being used more frequently. Tendency to using rental bicycles has started in Europe. There are many rental bicycle companies, but the biggest one is in Germany. In Germany, German Railway Company Deutsche Bahn operates rental bicycles since 2002. Today they have more than 10.000 rental bicycles all over Germany. System is very well organized and a unique system that people can rent bicycle anywhere they see a free bicycle by calling the rental center and they leave the bicycle anywhere that they want. This system has been working successfully for seven years now and still growing not only in Germany but also in other countries. This system is called “Call a Bike”.
Yalcinは卒業後半年間,日本に滞在し,2007年4月から2009年3月の2年間はドイツベルリン工科大学で,
2009年4月には助教授として母校トルコエーゲ大学で研究を続けています.
講演会の後,研究室の皆と近くの焼鳥屋で懇親会を行いました.
「居酒屋で飲む日本のビールは最高!」と奥さんのNinel共々,久しぶりの日本を楽しんでいました.
この後,3週間くらいは熊大にいる予定なので,卒業生諸君,久しぶりにYalcinに会いに来ませんか?
異常に長かった梅雨が明けて,非常に暑かった8月7日(金)に開催されたオープンキャンパスに,溝上研は「バス路線網再編による輸送人員の予測」 と題して,社会基盤設計演習や研究室の研究成果のパネル,模型,ビデオ,交通シミュレーション画像などを展示しました. やってきた高校生や彼らの担任の先生方は,提案した熊本駅前の再開発計画の模型や新水前寺駅整備に伴う白川交差点の改良による道路交通シミュレーションをのぞき込み, 研究室の学生諸君の説明を熱心に聞いていました. 彼らの中から,社会環境工学科を受験し,ハレて入学してくれる高校生が一人でもいると,大成功です.
交通センター付近の再開発構想-模型の展示とその説明に協力してくれた星野研の社会基盤設計演習グループの皆さんと研究室の皆さん,有り難うございました.
5月22日に,修士論文の中間発表会が行われました.前日はM2の大半が早朝から夜遅くまで熊電利用実態調査を行っていたのですが,疲れも見せずに, 下記のようなテーマでこれまでの研究の到達点と今後の研究計画についての発表を行いました.
平野俊彦:熊本都市圏のバス路線網再編と運行スキームの制度設計
村上梨沙:都市のコンパクト性に影響を与える都市構造と交通サービス
吉住弥華:中心市街地における空間構成と歩行者回遊行動の関係性に関する分析
副査などの質問に十分には応えられなかったり,頓珍漢な回答になったりした場面もありましたが,どうにか修論でやりたいことは伝わったようです. あとは本気で取組み,立派な修論ができあがるのを期待しましょう.
7月31日,8月1日の2日間,別府市のB-conプラザで開催されたJCOMM2009で,下記のタイトルの基調講演と口頭発表を行いました.
基調講演:交通まちづくりの実践 -熊本電鉄LRT化計画の成否の鍵は?-
口頭発表:熊本電鉄電利用促進を目的としたMMの効果の実証分析 -利用実態調査によるMMの効果計測と効率的MM実施のためのマーケットセグメントの分離
基調講演では,熊電のLRT化計画の内容とその後の利用促進MMや交通社会実験の経緯,LRT化計画に対する支援の要請に対するその後の行政の回答, この間の問題点と今後な検討課題などについて報告しましました.実例を交えた報告は,インフラ整備を伴う公共交通サービス整備の難しさや成否の鍵について, 聴衆に考えるべきテーマを与えることが出来なのではないかと思っています.
通常のTFPの効果を評価する際,転換率に関するアンケート回答を用いた分散分析を用いるのが標準的なのに対して, 利用実態調査によって転換者を補足した転換行動に関する観測結果からTFPの効果を評価した事例を口頭発表しました.
両発表とも参加者に非常に好評だったようです.しかし,折角,別府に行ったのに,露天風呂どころか,ビジネスホテルのシャワーしか浴びれなかったのは,なんとも残念なことでした.
18日から「夏のくまもとお城まつり」が開幕し,中心商店街等連合協議会と熊本商工会議所が主催して第5回城下町くまもとゆかた祭が開催されました.
例年通り,上通り商栄会からまちなか工房を通して研究室に協力依頼があり,総勢13人で手伝いに行きました.
湿度が高く,非常に暑い中,女子学生はゆかたを着てインフォメーションでの福引きを,男子学生は甚平を着てヨーヨー釣りや射的,スーパーボールすくいを手伝いました.
大人から子供まで非常に多くの方が訪れ、大盛況でした.終了後は打ち上げを行いましたが、一仕事終えた後のビールは最高でした.
これから,銀杏祭,えびす祭り,手取神社の嘘替えまつりと祭りが続きますが、この調子で市街地の活性化に貢献していきたいと思います。
パスート24は熊本市中心市街地のフリンジ部に展開する立体駐車場グループで,現在,大規模なものは7カ所,約2800台分を提供しています. 本日から,これらの駐車場を連絡する無料シャトルバス「パーキングバス」が運行を開始しましたので,その運行開始記念試乗会に参加しました. 1周を約40分で連絡し,パスート24利用者であればどの駐車場でも乗降できます.たとえば,水道町本店で駐車して上通り,下通,新市街,熊本阪神で買い物をし, 辛島公園店からこのバスに乗車して元の水道町本店まで戻ってくることができます.都心部の駐車場探しの自動車が無くなる上に, 買い物荷物も運べるので駐車場利用者の回遊範囲が広がり,街の活性化につながる可能性があります.
7月7日と8日の両日,The Hong Kong Polytechnic UniversityのDr. Agachai Sumalee助教授による特別セミナーが開催されました. Dr. Agachaiは研究協力者である円山先生(政創研)がカウンターパートとして熊大に招聘したものです.演題は下記です.
7日:Global Optimization Approach for Toll Level and Location Design
8日:Stochastic Cell Transmission Model: Theoretical Formulation And Application To Empirical Data
いずれもこの分野では最先端の研究です.インドネシアと中国からのD1学生Emri君とYinさんにとっては英語による研究発表は非常に新鮮だったようで, 研究テーマは異なっているものの,素直な,時としては本質を突くような質問をしていました.一方,日本人の学生にとっては英語が十分には理解できなかったようで, 沈黙でした.
学生諸君に最先端研究を紹介し,学生諸君の英語への抵抗感がなくなるようにするために,今後も国内外から研究者を招聘してセミナーを開催する機会を作ろうと考えています.
全国の都市計画の専門家から構成されるNPO日本都市計画家協会(黒川洸会長)は,全国のまちづくりの取組みの中から,優れた理念を持つ活動や計画, プロジェクトを日本都市計画家協会賞として表彰しています.今回,工学部まちなか工房の5年間にわたる取組み「まちづくりの家庭医を目指して -熊本大学工学部まちなか工房による中心市街地のまちづくり支援-」が評価され,28件の候補の中から,第7回日本都市計画家協会賞の最高賞である 「日本まちづくり大賞」を受賞しました.選考理由の理由は以下です. 5年間,毎年活動を創造的に発展・深化させ,具体的な成果を継続的に生み出し,都心の活性化に大きく寄与している.まちなかのサテライト拠点を中心に, 大学が研究教育とまちづくりを連動させ,多様な人材が継続的に活動することで,住民や商業者に信頼を得ている.大学・地域連携のベストプラクティスの一つとなりつつある. 6月20日に東京で行われた授賞式において,賞状と副賞が授与され,まちなか工房を代表して両角学部長と工房代表の溝上教授が表彰されました. 受賞の取組みについては,「全国まちづくり会議2009 in 川崎」(9/21~22)でその内容が紹介される予定です.