小泉八雲(こいずみやぐも)や夏目漱石(なつめそうせき)が教鞭をとった旧制第五高等学校(現在の熊本大学)の前身である、第五高等中学校の校舎として明治22年(1889年)に完成した建物です。「ナンバースクール」と呼ばれていた旧制高等学校である第一高(現在の東京大学)から第八高(現在の名古屋大学)のうち、当時の校舎が同じ場所に同じ姿で現存するのはこの五高記念館のみ。化学実験室、通称赤門(あかもん)と呼ばれる正門、そして校舎の設計図とともに国の重要文化財に指定されています。100年以上もの長い間、赤レンガの美しい姿を保つこの英国風の学舎は、熊本大学のシンボルとして学生や熊本市民にも親しまれ、平成5年に記念館として一般公開されるようになりました。内部には、復元教室と6つの展示室があり、五高の歴史や赤レンガの校舎の構造、夏目漱石が作った試験問題など著名な教授陣に関する貴重な資料のほか、各界で活躍した卒業生に関する資料などが展示されています。