夏目漱石の小説「草枕」に那古井温泉として登場するのが小天(おあま)温泉で、当時は5、6軒の温泉があり、熊本市街からもっとも近い温泉地でした。現在、漱石が泊まった宿「前田家別邸」はなくなり、跡には漱石宿泊のひと間(漱石館)と浴場跡が保存され、全国から漱石ファンの来訪が相次いでいます。 現代の小天温泉には、小説から名づけた明治から続く温泉旅館「那古井館」と公営の温泉交流センター「草枕温泉てんすい」の2つがあります。泉質はいずれも、単純アルカリ泉で神経痛、リウマチ、婦人病等に効用があります。