この記念館は、明治26年(1893年)イギリス国教会の伝道師として熊本に赴任し、ハンセン病患者のために生涯を捧げたハンナ・リデルとその姪エダ・ライトの功績を記念した建物で、回春病院(かいしゅんびょういん)の跡地にあります。回春病院は、当時「伝染する不治の病」と誤解され、迫害を受けていたハンセン病患者のために、リデル女史が、英国、日本の教会、政財界に寄附を募り、創設した病院です。エダ女史は明治29年(1896年)に来日、リデル女史の後継者としてハンセン病患者のために尽くしました。回春病院は太平洋戦争時に強制解散させられたましたが、大正7年(1918年)に建てられた「ハンセン病病原菌研究所」の建物が両女史の業績をたたえる記念館として利用され、両女史が使用した机や、貞明皇后(ていめいこうごう)からの手紙など貴重な資料数千点が展示されています。回春病院跡地には、この記念館のほか、リデル、ライト記念老人ホームや両女史が眠る納骨堂などもあります。