Ana Bortzさんが起こした裁判について

  1. 事件

    1998年6月にアナ・ボルツさんは、ブラジル人であることを理由に静岡県浜松市の宝石店から追い出された。

  2. 背景

    静岡県浜松市の外国人登録者数は約1万50 00人。うち1万人以上がブラジル人。

    原告がブラジル 人だと分った時点で店側が「外国人の入店は固くお断りします」と書かれた店内の張り紙や、警察が作成した「出店あらしにご用心!」と題する張り紙を指し示した。

  3. 判決

    地裁浜松支部で、人種差別撤廃条約を根拠に、ボルツさん全面勝訴(155万円の慰謝料など)。(参照 1999年10月12日の中日新聞)

  4. 意義

    今回はじめて、1995年12月15日に日本が批准した「 あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約」の効力が法廷で認められた。

    これで、さまざまな形の「外国人お断り」は一層正当化しにくいものになった。

    また、この判決をきっかけに日本における外国人に対する差別がNew York Timesで取り上げられた(この記事に関する日本語の記事もある)。同記事に、熊本県立大学の外国人差別問題に関する記述もあった。

    もっと詳しく知りたい方は下記のページ参照

    http://www.korea-np.co.jp/sinboj/sinboj1999/sinboj99-10/sinboj991029/sinboj99102981.htm

  5. http://www.sin-a.co.jp/info.htm

  6. 今後の課題

    国内の法整備

    国連のCommittee on the Elimination of Racial Discriminationの報告書から

    "The Committee noted with concern that although article 98 of the Constitution provided that treaties ratified by Japan were part of domestic law, the provisions of the Convention had rarely been applied by national courts."

    日本国憲法の第98条

    この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び 国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。

    (2)日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守す ることを必要とする。

    "The Committee was concerned that the only provision in the legislation of Japan relevant to the Convention was article 14 of the Constitution."

    日本国憲法の第14条

    すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門 地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

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