熊本保育研究会とは、元保育士、保育園園長、研究者、保護者など、保育に関心のあるメンバーによる研究会です。増淵千保美さん(尚絅大学短期大学部・児童福祉)や長井解子さん(ひまわり保育園元園長)、藤田泉さん(平成音楽大学・教育学)他、数名で構成されています。
わたしたちは、2007年頃から、よりよい保育環境について定期的に語り合う場をもつことから始めて、学習会を重ねてきました。
私たちの大事な子どもたちを長時間預かってくださるのは、保育士のみなさんです。そして、その時期は、人間への信頼や社会性など、人間形成の土台が築かれる極めて重要な時期です。保育士が、健康で安定した状態であることが、子どもの安全や今後の育ちには不可欠です。
また、あわせて、大部分が女性である職場なため、彼女たち自身が安心して子どもを産み育て、働き続けられる環境であることが、女性の職場環境を保証する指標とも言えます。つまり、保育士の健康とくらしがどうであるかの指標は、日本の「子育て環境」と「女性の労働環境」の結節点として、極めて重要だと言えます。
この観点から、2008年度より熊本学園大学の社会福祉研究所の研究助成(研究代表:萩原修子・増淵千保美)を受けて、まずは保育士の現状を知るために、2008年8月に熊本市内の認可私立保育園28か園のご協力を得て、363人の保育士の健康とくらしのアンケート調査を実施しました。
その集計結果を、2010年3月に『子どもたちの健やかな成長を育む保育の向上に向けて:「保育士の健康とくらしに関する実態調査」報告書』としてまとめました。
この報告書は、これまでなかなか声にならなかった思いや実態の一部をあらわしたものです。この報告書が、それぞれの立場から、保育に関する思いや気づきを広く「共有する場=つながり」になればと思っております。
子どもたちの豊かな育ちをどうやって支えていくか、ご関心のある方、ぜひ声をお寄せください。