2021年3月末に熊本大学を定年退職する溝上教授の最終講義が3月13日に開催されました.本来であれば対面で聴講者にこれまでの経験や思いを伝えたかったのですが,コロナ禍,円山先生と安藤先生の準備の元,厳格な感染予防対策をとった230教室での対面とZOOMのハイブリッドで開催されました.
最終講義では,1)生まれてから博士課程修了まで,2)熊大赴任までの教育・研究の経緯,3)20年周期の交通計画研究,4)私の交通計画研究 第1期~第3期,5)私のエネルギー源,6)私の自慢と悔い,7)私の今後を,名(迷)言と共にお話しました.稚拙な内容でしたが,コロナ禍,対面で約30名,リモートでも264人もの方にご参加頂きました.本当に有難うございました.ZOOMで聴講して頂いた皆様の一部のスクリーンショットを掲載させて頂きました.
その後,卒業生などから最終講義のビデオが見たいという要望が数件,寄せられましたので,ZOOMの録画を編集したものをHPで公開します.内容は兎も角,私の講義の様子を懐かしんで下さい.また,蘇遥会の会報用に執筆した文章も添付します.後半部分が特に主張したいことですが,蘇遥会の会報ではスペースの都合で前半しか掲載されていませんので.また,工業会会報の退職のご挨拶の原稿も添付します.両方とも稚拙な文章ですが,定年退職に当たっての感慨を述べました.
熊本においでの方は,熊大は勿論,子飼橋をわたって反対側の大江にある熊本学園大学にも是非,お寄り下さい.
卒業生の皆さん,特に10期生までの卒業生,それに寄稿して頂いた皆様,大変お待たせしました.原稿収集完了から苦節16年,ようやく「熊本大学工学部土木計画研究室10周年記念誌」の編集が完了し,本日,公開となりました.16年越しに日の目を見ました.
この冊子は平成7年に溝上教授が熊本大学工学部環境システム工学科に助教授として赴任して研究室を起こしてから10年目に当たる平成17年に,10周年記念誌を編集すべく,お世話になった先輩先生やそれまでの卒業生に寄稿をお願いしたものです.
皆さんのご協力もあって,原稿はすぐに集まったのですが,その後,編集する時間が無く,コンピュータのHDにデジタルで残ったまま,16年が経ってしまいました.本年3月末の溝上教授の退職を前に,編集をし直し,冊子ではなく,研究室のHPにアップすることにしました.この間,10周年記念OB/OG会と同じ阿蘇プリンスホテルで20周年記念OB/OG会も開催され,旧交を温めてきました.今となってはとても懐かしくも貴重な記念誌になっています.20周年記念誌も作れば良かったと思っています.
そうだ!溝上教授定年退職記念誌を作ろう!その際はご協力を宜しくお願いします.今しばらくはどこかで交通まちづくりの教育・研究・実務に頑張りますので.
溝上教授が今年3月末をもって定年退職されます.コロナ禍でもあり,今年度中は特別のイベントは行わない予定でしたが,教育・研究生活の区切りということもあり,下記の要領で最終講義だけを行います.
すでに,本会を企画してくれた円山先生と発起人の卒業生から連絡が届いているかもしれませんが,最終講義は223教室での対面と同時にZOOMでのリモートとのハイブリッドで実施します.223教室は200人以上を収容できますが,定員を50人くらいにしたいと思います.遠隔地にいる方は勿論,近くにいる方も,あえて現地会場に来られるには及びません.
・日 時 2021年3月13日(土)15:00~ ・会 場 工学部2号館223教室+ZOOM ・演 題 ネットワーク均衡発 地域公共交通再生経由 新モビリティ着 ・備 考 当日は懇親会などは行わず,COVID-19感染がある程度収束した後,記念パーティを開催予定です.
溝上章志先生最終講義 聴講・参加申し込みフォーム https://forms.gle/j8mGEAkSnQBetxfc6
←クリックするとPDFが開きます |
メソ交通シミュレーター K-MATSim 動画 画面左下の▷を押すとビデオが流れます |
昨今の交通サービスのキーワードはシェアリング(Sharing)と自動運転(Autonomous Vehicle),およびMaaSでしょうか.今後はカーシェアリングや相乗りタクシーなどのシェアリングサービスが普及していきそうです.また,これらの車両が自動運転化されるとロボット相乗りタクシーや完全自動運転自家用車によるP2Pカーシェアリング,ひいては同サービスのライドシェリング化も可能となります.
これまで,このような新たなモビリティサービスを導入する前に実証実験が行われてきました.2018年の東京における相乗りタクシー実証実験などがそれです.しかし,予算も手間も掛かるので,モニターを募って数台の車両でやってみるのが関の山でした.また,投入台数や料金,サービスエリアを変えてみるとどうなるかなどの試行はできませんでした.
そこで,研究室ではメソタイプの交通流シミュレーションK-MATSimとSAVS(未来シェアのリアルタイムオンデマンド最適配車サービス)のような配車システムをWEB-APIで連携させ,実証実験に代わって各種シェアリングサービスの運用をPC上でシミュレーションできるシステムを開発しました.
このシステムを熊本市中心部エリアに相乗りタクシーサービスを導入し,現在のタクシー利用者を輸送した場合のシミュレーションのビデオ録画と評価指標です.動画をクリックしてください.ツブツブが動き出します.動画中のネットワーク上の赤丸がサービス予約者です.そこに,フラッグがついたツブツブの相乗りタクシーが迎車に行きます.文字が青の迎車から赤になると乗車,( )内は乗車中の客数です.到着すると文字が白の流しになります.その他の色のツブツブは車や自転車などです.相乗りタクシーを20台導入すると,通常のタクシー20台の時より予約から到着までの所要時間が2/3に,予約が不成立になることはなくなりました.
このような研究や業務を行っている方,興味があれば連絡してください.現在,荒尾市で2020年10月から運行を開始した相乗りタクシーの「おもやいタクシー」への転換モデルを推定し,それをK-MATSimに組み込んだシステムを用いて,また,近い将来はK-MATSim についてはコードのオープン化,業務の受託も予定しています.