当初は9月下旬に開催された霞イチ(霞ヶ浦1周)ライドに参加する予定でしたが,熊大在任中の研究室の卒業生同士の結婚式に招かれたために,参加できませんでした.私と同様に別件で霞イチライドに参加できなかった藤原広大教授に相談したところ,以前,藤原教授が非常に良い景色や経験をしたという「とびしま海道ライド」が11月2,3日の1泊2日の日程で実現しました.
とびしま海道は昨年4月に走破したしまなみ海道の南側の島々を巡る,往復で50km程度のコースです.前日までは秋晴れが続いていたのですが,2日前くらいに台湾を経由して西方の中国に向かっていた台風が温帯低気圧に変わって,突如,東向きに進路を取ると同時に,日本の南にあった前線を刺激し,前日の11月1日から西日本は大雨になりました.1日の午後は広大で広大セミナーが開催され,新進気鋭の手研究者による英語による研究成果の発表が行われ,東広島駅近くのホテルに一緒に泊まっていた甲斐(Kay Axhausen)東大客員教授と共に,久しぶりにアカデミックな空気に浸ることができました.その後は,力石広大教授,発表者と一緒に日本伝統家屋風の居酒屋でミニ懐石料理と広島特産の新酒に舌鼓.しかし,雨は強まるばかり.
スタート予定の2日は朝から大雨で,新幹線は大阪-博多間が不通になり,東広島駅13:00に集合予定の山本名大教授と嶋本宮崎大准教授が揃ったのは既に16:00.15:00には雨もすっかり上がって真っ青な空になったのですが,1日目は輸送用の車で宿泊予定の民泊施設まで自転車を運ぶだけになりました.着いたのは既に17:00過ぎで,辺りはかなり暗くなっていました.しかし,民泊施設の民泊cafe「とみつね」は古民家をリフォームしたおしゃれでしっぽりした雰囲気で良かった.実は,潮待ちの天然の良港とされていた大崎下島の御手洗は,江戸時代は北前船の寄港地,参勤交代の船宿などがあった地区で,今でも大小の商家や茶屋,船宿,住宅,神社,寺院などが多数,それも面的に残っているだけでなく,集落内を小路が網の目のように巡っている.また,大波止や石橋,高燈籠,石垣護岸,雁木等,港町の生活上必要な土木的建造物が当時のまま現存しているとても素晴らしい集落なのです.平成6年には重要伝統的建造物群保存地区として国から選定されました.夕食には「何でこんな所にこんな素敵なイタリアンレストランが!?給仕の女性は何故か英語ペラペラ!?」 のイタリアンを堪能しました.
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翌日は朝から快晴に恵まれ,9:00にスタート.宿泊地から大崎下島の海岸線を右回りに周回し,豊浜大橋からは青のルートに沿って梶ヶ浜の25kmをライドしました.途中,2つの橋の手前の橋詰めにはかなり急で長い坂があり,危うく押しチャリになりそうでしたが,どうにか頑張って走破できました.平坦な道であれば何事もなく行けるのですが,ややきつめの上り坂となると,若い方達のようにスイスイとは上っていけない我が脚力を今回も情けなく思うライドでした.甲斐先生の借りたe-バイクが羨ましくも思えました.
坂が少なく,天気が良くて風がない時のロードはなんと気持ちが良いのでしょう.早速,帰りの新幹線の中で,瀬戸内産ではないですがシチリア産レモンのサワーを飲みながら,嶋本先生と次の春先の宮崎ライドの計画をしました.