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講義・演習情報研究プロジェクト熊本日記松井松次資料館略歴・研究業績

在外調査報告――中国外交部档案館の歩き方2009秋

2009年10月31日
北京朝陽門外にある中国外交部档案館の紹介です。
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 8月に続いて今年も秋の档案調査のため中国北京・朝陽門外の外交部档案館を訪れた。直近の調査報告はすでにアップしてあるが、若干の新たな情報があるので紹介しておきたい。

 まず、公開済みの対日関係档案の分量であるが、10月下旬現在、「日本」のカテゴリーでヒットする件数は1795であった。前回は1742件であったが、この増加は検索システムの若干の変更によるものかもしれない。かつて「国別」検索のカテゴリーは、「日本」や「日本、美国」、「日本、英国」など、国別のサブカテゴリーが若干数存在し、かつてそれらは「日本」というキーワードでの検索ではひっかかってこなかったが、現在のシステムではすべての日本関連档案が「日本」というカテゴリーを選択して検索をかけることで一律にひっかかってくるようになった。

 その他、大きな変更がないが、今回の厳密なる調査を通じて、前回「複写不可」分として「絶密文件」を挙げておいたが、これについては若干の訂正をしておきたい。よくよく確認すると、「絶密」の「電文」について「複写不可」というのが「原則」のようだ。ただ、「絶密」の「文件」についても、わずか一行でも「毛沢東」や「周恩来」など最高指導者らの「発言内容」が織り込まれているものは「複写不可」になる可能性が高く、もとより外交部以外の機関が作成した「档案」は複写不可なので、相変わらず厳しいことには変わりはない。

 今回、複写した数量は887枚で4435元。有職者でも学生でも1枚一律5元となった恩恵は大きいが、「臨戦態勢」で档案を筆写している中国人院生(中ソ関係を研究している院生が多いようだ。日本でいう「日米関係」研究者みたいな感じかしら)たちからすれば、1枚5元も相当高価な価格設定であるといえよう。とはいえ、電子複写ができても、「本当に欲しい档案」はやはり「録入」が必要になるので、やはり最低10日前後の調査日程を組むことが精神衛生上良いかと思う。 

文責 大澤 武司

    
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