Mathematica とは[top]
Mathematicaは科学技術計算用の数式処理ソフトとして分類されています.しかし,単に計算ソフトというだけにはとどまらず多くの機能を含んでいます.Mathematicaでできることを以下に列挙してみましょう.
○数値計算
○数式計算(数式処理)
○グラフ作成
○プログラミング
○ワープロ
○プレゼンテーション
Mathematicaのプログラム部分はテキストだけからなっているので電子メールで送るのには好都合です.プログラム本体だけを受け渡して実行は各自のマシンで行えばよいのです.
Mathematica 3.0情報[top]
Mathematicaの最新バージョンは3.0です.2.0からの大きな変更点はタイプセット関連です.微積分や行列の入力方法が普通の数学で使う方法と同じになりました(いわゆるWYSIWYG).また,文章作成時に文字と文字の間にMathematicaの式を入れられるようになりました.論文作成時にMathTypeを補助的に使う必要がなくなりました.
数式を文章の間に入れるには,FileメニューからPalettesを選ぶと,サブメニューの中にBasicInputをはじめとしてMathTypeと同じようなパレットを呼び出すことができます.これを使うと複雑な式を簡単に作ることができます.乱暴な言い方をすれば,MathematicaにMathTypeが組み込まれたといえばわかりやすいでしょうか.
その代わりに,バージョン2との間での日本語文章の互換性がなくなってしまいました.具体的には,バージョン2で作成した日本語の文章をバージョン3でオープンすると,ほとんどが文字化けを起こし,修復不可能となります.
バージョン2で作成したファイルはバージョン2で開かなければならないので,注意してください.
バージョン3インストール時の注意点
日本語システムのマックにバージョン3をインストールしようとするとそのままではインストールできません.機能拡張フォルダから「WorldScriptII」をいったん外に出して,再起動してからインストールします.WorldScriptIIをはずしてあるので,メニュー等は文字化けしますので,再起動は特別メニューの下から3つ目であることを覚えておきましょう.バージョン3のインストールが終了したら,WorldScriptIIを機能拡張フォルダに戻してから,マックを再起動します.
Mathematica 3.0.1[top]
97年6月中旬より3.0の不具合を修正したver.3.0.1がWolfram Researchより配付され始めました.3.0.1では上で述べた問題点は完全には解消されていないようです.Ver2.0で作成したファイルでもうまく変換できない場合もあります.しばらくは,Ver2.0も入れておいた方がよいでしょう(この項訂正).ただし,インストールは通常の方法で行えます.
Mathematica Web情報[top]
[1]はMathematicaの開発会社Wolfram Researchのサイトです.[2]は同じくWolfram ResearchのMathSourceのホームページです.[3]はMathematica関係の本を多く出版しているSpringer-Verlag社のサイトです.[4]にはMathematicaのノートブックがいくつか登録されています.[5]はMathematicaの日本の代理店の1つの日本電子計算のサイトです.[6]には『はじめよう経済学のためのMathematica』(日本評論社,1997年)の練習問題の解答が登録されています(ただし,5月15日現在ではアクセス不可能).
[7]は日本のMathematicaユーザ会のホームページです.関連サイトの情報などが載っています.
メーリングリスト情報[top]
「Mathematica ユーザー会」運営によるメーリングリストがあります.このMLはユーザー会世話人の一人である筑波大学体育系の宮地力氏が運営されています.新規にMLへの登録を希望する場合は,以下に登録希望の旨の内容のメールを送ります.
mathuser-request@taiiku.tsukuba.ac.jp
なお,上記MLは98年11月から廃止され,甲南高校の吉田氏運営によるMathematica Q&A のMLに統合されました.
mug_qa@list.hs.konan-u.ac.jp
Newsgroup情報[top]
Mathematicaのニュースグループとしては以下があります.
comp.soft-sys.math.mathematica
NewsWatcherかNetscapeNavigatorのニュースリーダーを使ってアクセスすることができます.ニュースグループの利用は左のインデックスからインターネットのページを選んで参照してください.
Mathematica と経済学[top]
Mathematicaの経済学への応用を比較的早くから積極的に推進しているのがミクロ経済学のテキストでもお馴染みのHal
Varian(現在はU.C. Berkely)です.以下の推薦図書の[6]と[7]はその成果です.推薦図書の経済学関連の文献も役立ちます.
Mathematicaの経済学への応用としては,経済理論(ミクロ・マクロ),金融分析,計量経済学等で実績があります.Wolfram
Researchからは,FinanceとTimeSeriesについてMathematicaのパッケージソフトがでています.
Mathematica 推薦図書[top]
入門書
[1]グレイ, T. ・グリン, J. 『Mathematicaビギナーズガイド』アジソン・ウェスレイ・トッパン 1992年
[2]榊原進『はやわかりMathematica』共立出版 1995年
経済学関連
[3]浅利・久保・石橋・山下『はじめよう経済学のためのMathematica』日本評論社 1997年
[4]小林道正『Mathematicaによる『ミクロ経済学』スタディガイド』東洋経済新報社 1996年
[5]中村健蔵『Mathematica によるOR』アジソン・ウェスレイ・ジャパン 1996年
[6]Varian, Hal R. ed., Economic and Financial Modeling with Mathematica, Springer-Verlag, 1992.
[7]Varian, Hal R. ed., Computational Economics and Finance, Springer-Verlag, 1996.
統計学・計量経済学関連
[8]小林道正『Mathematica 確率・統計入門』トッパン 1994年
[9]小林道正・小林厚子『Mathematica による多変量解析』現代数学社 1996年
応用
[10]Shaw, W.T. and Tigg, J., Applied Mathemaica, Addison-Wesley, 1994.
レファレンス事典
[11]ブラックマン, N.『Mathematica事典』トッパン 1994年
[12]Wolfram, S., The Mathematica Book 3rd edition, Cambridge University Press, 1996.
専門雑誌
The Mathematica Journal , quarterly, Academic Press.