研究室の紹介 研究 プロジェクト 講義 研究室情報 メンバー フォトギャラリー 地図リンク

last lecture

Anniversary

 

2025.04.11
いよいよ正規定年までの最終年度が始まりました.

   

 溝上教授は2021年3月末に熊本大学を定年退職後,同年4月に熊本学園大学に赴任し,今年の3月末でまる4年が経過しました.この時期,「春の草木の花々は美しいなー」と感慨深い.
 3年前に2年次秋学期の演習Ⅱを,一昨年度は3年次通年の演習Ⅲを持ち上がりで指導し,昨年度末には4年次通年の演習Ⅳ(卒論)の学生3人が卒論を書いて卒業しました.演習Ⅱの受講生9人は演習Ⅲまでは全員が受講してくれたのですが,指導や課題が厳しかった?のか,演習Ⅳ(卒論)の途中で次々に離脱していき,秋学期になると卒論の6単位がないと卒業できない3人にまで減りました.彼らは最初から最後まで興味を持って食らいついてきたし,卒論のレベルもそこそこでした.しかし,途中で離脱した多くの学生は,大学生活の中で解のない課題に主体的に取り組む,苦しくても逃げない,一定期間に成果を出す,それをPPTで他に説明するといった経験をせずに社会に出て行きました.しかし,大丈夫なのでしょうか.これは文系ではごく普通だそうですが,毎年,とても心配になります.

 専門科目をほとんど習得していない2年秋学期の演習Ⅱ,ようやく専門科目を受講してそろそろ好きな分野が分かる時期の3年通年の演習Ⅲ,そして大学生活で最も重要で貴重な経験を積む4年通年の演習Ⅳ(卒論)までの教育・研究指導はとても大変です.これらを途中で離脱していく学生がこれほど多い本学の卒業生もこの国の生産や消費を支える生産者や消費者になっていくのです.これまでは良かったかも知れませんが,人口がこれだけ減少し,産業や金融の国際競争力がここまで凋落してしまった現在,彼らは,いやこの国は本当に大丈夫かなー!?と本気で心配になります.最近,アフリカに出張した友人から聞いた話ですが,マーケットでお土産を買う際に表示価格から値切ったところ,「日本人なら所得が低いから言い値で良いよ」と言われたそうです.笑っていられない・・・・

 4月からいよいよ5年目,正規の定年年齢70歳までの最終年度に突入です.桜が咲く時期,毎年モヤモヤはあります.教育・研究の内容や方法に対して私が「まあこのくらいはないとネー!」と考える水準をあきらめるが常勤の教授として満額の収入を得る道を選ぶか,どこか違った道を開拓するか.今年度までは前者で行くことにしました.来年度以降2年間はシニア客員教授として継続就労してほしいと経済学部から依頼されています.が,それがどんなものかはまだ考えていませんが,これが人生最後になるだろう新たなステージに挑戦するか,2回目の定年退職を前に,その選択もこの1年間の宿題です.