雑感

   何かを文章の形にして残そうとするとき、どうしても強烈な体験の方から順に書いてしまう。  ただ、強烈な体験を並べただけだと、読んでもらっている人に「ああ、インドってやっぱり 危なそうな国なんだな」と思われそうで、それが何とも気がかりだ。  

 普通の人達と、ごく普通の時を過ごした体験の方が自分の中では貴重だったりするし、ふとした弾みに 思い出すのもそんな事の方が多い。

    が、すべてをここに書き尽くす事は不可能だ。 たった2週間の旅で何がわかるかという話もあるが、今回の旅で感じたことを出来るだけ素直に書いてみようと思う。 できれば、それがステレオタイプな見方に対する中和剤になれば良いのだが。。

インドは大きい

   ありきたりの感想だが、まずはこれ。

 もちろん地理的な大きさもあるのだが、それ以上に圧倒されたのが 人の数、そして、それぞれの人が生きている現在。

 たとえば今回旅した南部4州の間だけでも、その差はかなりのもの。また、一つの州の中だけを取っても

 

  、とんでもないお金持ち、どん底の生活をしている人、保守的なヒンドゥ教徒、ムスリム、アメリカナイズされて考え方を持つ人 etc. その幅はあまりにも広い。 

  自分の頭の中にある「国」の概念を軽く越えていて、月並みな言葉だが圧倒されてしまった。一度、インドを旅すると「インド人」という言葉が使えなくなるよと誰かが言っていたが、それをつくづく実感させられる旅だった。



  • 日本人旅行者

     他の日本人旅行者を見ていて、感じた事(というか、不満)をいくつか書いてみたい。

    「危険な国」?

     たとえば、Helloとか、「コンニチハ」と声をかけられた時に、必要以上に警戒しているような気がする。いくらなんでも、小さい子供に Hello と言われて、No thank you!は無いだろう。

     時間は十分あるんだから挨拶くらいして、物売りの話や、乗りたくない話になった時点で、すっぱり断れば済むと思うのだが。。

     「出会った人」の中でも、ヤクの売人などについて書いているので、「インドはやばい」と感じる人が居るかも知れない。が、そんな事は無い。ごく一般的な常識を持って旅していれば(夜、一人で出歩かない。どの辺りの地区が危険か、地元の人に聞いておくetc)、これほど旅していて楽しい国は無いと思う。

    「ぼったくられる」?

     ごくまじめなお店で、長々と値引き交渉をする日本人。
     後ろでは地元の人がイライラしていて、店のオヤジも「定価ですよ」と一生懸命説明しているのに、「expensive!」一点張り。それで値切った数ルピーが彼らの自慢のタネになるんだろうか。あまりにしつこかったので、思わず横から「あの〜、それって、定価ですよ。」と口を挟んでしまった。

  • インドの人々から見た日本

    産業大国

     なんといっても、このイメージが強い。真っ先に出てくるのはSony,Toyota,Suzukiである。何人かに、「総理大臣の名前、知ってる?」と聞いたが、知っている人は一人も居なかった。一人だけ、「あ、腹心がこの前、辞めたよね。ああいう事って多いの?」と聞き返されたが。

    英語は話せないけど、お金持ちな人たち
      今回、話していて意外と多かったのが「年間、どのくらい稼ぐの?」「学歴はどのくらい?」という質問。彼らにとって切実な関心事のようだ。 ただ、年収の質問については「お金持ちなんだから、おみやげ買っていってよ」 という伏線になっていたりするので、相手によってまじめに答えたり、 答えをぼかしたりしたが。。

    school pen?

     今回の旅で、小学生くらいの子供にあうと、必ずといって良いほど 「school pen?」と聞かれた。これは、鉛筆、ボールペンを持っていたらくれという意味。とはいっても、別に鉛筆を買う金が無いという事ではなく、彼らに取っては軽いゲームのようなもの。

     「貧しい国のかわいそうな子供達」という頭があるからか、何十本もペンを持ってきて、それを「プレゼント」として配る人達が居るらしい。が、コントロールされていない「善意」は決して子供達に取ってプラスにはならないと思う。

     可哀想と思ってあげたペンが、結果的に子供にウソや依存心を覚えさせる事になる事に、いい加減に気付いて欲しい。彼らは裕福な観光客のペットじゃないんだから。

  • 最後に

    帰ってきてまだ、二日目だってのに、もう、インドに戻りたくなっている。かなり重症の「インド病」にかかってしまったような気がする。ひょっとしたら、ビザの期間が切れない内に、またインドに行っていたりするかも。

    次はインド北東部からネパール、できればチベットまで北上できればと思っている。



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