読書

2007年12月21日

全身漫画家

 江川達也氏の半生記&エッセイ。
 「作品を作品としてだけ見たい」というのが根底にあり、あまり経歴などには注意を払わないタチなのだが、この本は面白かった。

 この人の、水木しげるの"身も蓋もない"戦争モノや、「デビルマン」への高い評価、「ドラエモン」への強烈な嫌悪など、嗜好が似ているように思える。その分、抵抗無く読めるのかも知れない。

 逆に、「学校」や「教育」についての強い思い入れには、素直に同調できない部分もいくつかあった。
 これは多分、私自身が中島義道が言うところの「人間嫌い」の要素を多分に持っているからだと思う。

 “全身漫画”家 (光文社新書)


 読後、作中で激賞されていた水木しげるの「カッパの三平」を注文してしまった。

ynoge1 at 20:19|PermalinkComments(0)clip!

2007年11月01日

先月、読んだ本

 不思議なもので、視力が落ちると無性に本が読みたくなる。先月は新規購入、読み返しも含めて結構読んだような気がする。以下、印象に残った本の覚え書き。

歴史学ってなんだ? (PHP新書)

人道的介入―正義の武力行使はあるか (岩波新書)

魔女狩り (岩波新書)

「不自由」論―「何でも自己決定」の限界 (ちくま新書)


 感想などは、HPでボチボチ書いていこうと思う。

ynoge1 at 21:46|Permalinkclip!

2007年02月09日

「新書365冊」

新書365冊


 東京出張時に、空港の書店で見つけた本。
 大きな書店が無い田舎に住んでいるので、この手の書評本は非常に有り難い。(書評本から気になる本を探し出して、ネット上で注文することがかなりある。)

 著者の政治的な傾向が、私とはかなり異なるため、違和感、反発を覚える部分が多々ある。しかし、著者が新書の良否を見る際に使っている「論理の緻密さ」「著者の誠実な姿勢」等々の判断基準には納得できるものがあり、一気に読んでみたい本の数が増えた。

 感覚的には、挙げられている新書評のうち、すでに読んだことがある本については、70%=納得,25%=う〜ん、そういう見方もあるか。。,5%=それはないんじゃない?という割合。


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2006年08月22日

The world according to Garp

548a4d85.jpg やや読むのに時間がかかってしまったが、3週間ほどで読み終えた。
 自分の読書癖として、あまりフィクションは読まないのだがこの本は最後まで、コンスタントに読み進められた。

 自分で言うのも変だが、この小説の主人公、Garpの偏屈さ、不寛容な人々や愚かな人々への苛立ちに、妙に親近感を覚える。散在する奇妙な黒い笑いも良かった。

 この本の最終章を読むうちに、「水滸伝」のエピローグを思い出した。作中に登場した人物が、どのように生涯を終えたかを淡々と綴る事で、波乱に満ちたいくつもの生涯が、一つの安定した円環を作っているように感じた。

 また、何度か読み返しそうな気がする。

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